自閉症児の療育子育て10年を振り返って思うこと

自閉症児の療育子育て
10年を振り返って思うこと

長男の息子は2歳6か月の時に【自閉症スペクトラム障害】と診断が出ました

子供が【障がい者】となり

・療育の世界を知る事

・専門機関と連携をとる事

・障がい児の息子を理解する事

・息子との関わり方を学ぶ事

・同じ子育ての悩みを話し合えるママ友達を作る事

全く未知の世界の子育てをすることは、精神的にも体力的にもしんどい子育てでした

 

そんな息子が10歳になる頃には 『見た目は普通、頭脳は小学2年生の男の子』のお兄さんに育ちました
その成長発達に親が一番驚いていますし、過去の私に伝えたいです

「【障がい者】という言葉に惑わされないで!」って

    → 親が「かわいそう」な子供にしていない?

今の私は息子の障害を受け止められるようになって、正直 「本当に障がい児なのか?」と思えるほど普通に生活を送っている息子
見た目だけでは障がい者だと分かりません

同級生と同じような思考は持っていないけれど、身辺自立ができるようになるだけで親はめちゃくちゃ楽になりますし

・自分で登下校する力がついて
・自分で公園へ遊びに行って
・自分一人で留守番をする

この3つができれば、親は時間的な余裕ができて行動範囲を広げられるし、子供に手を取られないので1日をゆとり持って生活できるようになります

 

子供の療育への送迎は、【療育】と名がつくから「私はしんどい思いをして子供を送迎している」と考えていましたが、普通の子育てをしているお母さん達も野球やサッカーなど熱心に通わせている親は多く、それと同じ “ただの習い事” だと思えば送迎が負担など思わなくなりました

 

支援学級で学んでいるからこそ、子供にとってより良い進路は?
より良い生き方って何だろうか?
より良い人生を歩むためには、どういう導きをしたらいいのか?

とずっと考えて向き合ってきたので私なりの子育て観の軸ができました

  → 発達障がいをもつ子供が一人暮らしをしをするために必要なスキル

  → 障がい児を学校へ通わせる意味を考える

子供に障がいがあると分かって落ち込んでいた過去の私に、今の自分のような人と出会って励ましをもらえたら、あの時の私はもっと気持ちが楽になっただろうな・・・

という気持ちを込めて
今、子供が【自閉症】だと診断を受けて落ち込んでいるお母さんへお伝えしたいことを書いています

 そもそも、子供が障がい者になるとなぜ落胆するの?

なぜ我が子が【障がい者】だと診断が出た事で、親は落胆してしまうのか

【障がい者】 は 【劣等者】 でしょうか?

健常者と比較すると、足りない事はあるでしょう
でも、そもそも健常者が通常の状態であるって、誰が決めたの?健常者が完璧なものなの?

“健康な体に産んであげられなかった。不自由をかけてしまう。”そういう母心も過去にはありました

でも、不安感の一番の理由は “障がいを持つ人をどのように育てていいのか、関わり方が分からない”

“障がいを持つ人がどんな大人になって、どう社会の中で生活しているのかを知らないから”

ではないでしょうか

 

分からない事・知らない事・想像できない未来への不安と恐怖だと私は思います

「障がい者って、障がい者専用の施設で仕事をしているのよね。企業の障がい者枠で働いている人もいるのよね」
私はそんな、漠然としたことしか知りませんでした

明るく楽しくたくましく生活している障がい者は、世の中に沢山いるはずなのに
私たちはその存在を知ることがありません

私が気が付かなかったし、目を向けてこなかっただけです

 

経済大国の日本なのに、健常者が優位に生活しやすい環境で整い過ぎているから、障がい者にとっては暮らしにくい仕組みの中で生きていく事を求められる

だから、「我が子の人生は、苦労する人生になるだろう」って親は予想出来てしまって、ショックを受けるて落胆するんです

 

私も子供に診断が出た後、日々子育てする中で、心のコップは不安で常にいっぱいでした

・この子の将来はどうなるの?
・働けるの?
・自分で生活できるの?
・結婚できるの?
・親が一生養わないといけないんじゃないの?

そして、言葉の通じない我が子に、どう育児をしたらいいのか皆目分かりません

どうにかしてあげたくても親の言う事を聞けない我が子に、いつまでも笑顔で育てるなんて強靭な精神はまだ持っていません

第一子の子育てで分からない事ばかりの育児生活の中に、何を考えているのか分からない子供の宇宙人が一人…

 

でもね、今の状態が一生続くわけじゃないよ!

親は子供を支援してくれる場所を探して、勉強しないといけない

楽ではないけど、落ち込んでいても何も現状は変わらないから、保健師さんや役所・支援センターやこころのクリニック・親の会など問い合わせる一歩を踏み出して下さい

療育子育てをすることで親が成長することができた

実は私、子供が大大大大大の苦手だったんです

3人姉弟の長女で、両親はバリバリ共働きの環境で育ちました
小学2年生の時から常にカギっ子で、母親がいない時間は妹や弟のお世話をしてきました

そのため私は、「子供はメンドクサイ、嫌だ。」と脳に刷り込まれていました

 

ところが息子に【障がい】と診断が出たことで、めんどくさいとか嫌だとか言ってる場合じゃありません

「放っておいても子供はたくましく育つよ!」って思って育児をしていたのに、嫌でも子供と丁寧にかかわらないと育たない障がい児の母となりました

この時私は 「こどものオムツを一生替えないといけない人生は嫌だ。
それなら今しんどくても1日でも子供が自分の事は自分で出来るように育てよう」と決めました

療育子育てをする中で、普通に子育てしていたら出会えない人たちと出会えたり

“人”について
“人生”について
“生き方”について
“生きていく意味”について

いろいろ考えました

 

嫌でも子供と関わっていく中で、次第に「子供って単純だし、素直な生き物だな」と思えるように気持ちが変化してきた事は、自分でもマジで驚いています

そして、子供が苦手だった私が子供に絵を教える仕事を始めるなんて、20年前の私では全く考えられない事です
人間って変われるんだなって、自分でも驚きました

 

子供の障がいを通して、私は貴重な体験をさせてもらえたと受け止めています
普通の人よりも学ぶ事がたくさんありました

普通の子育てしか経験していないお母さん達には絶対にできない経験をした私は、人として強くなったと自負しています

“悩み”は尽きないけれど、悪い事よりもいい事の方が多かった

息子は2年間の療育園を卒園後、地域の幼稚園へ入園しました
一般の子供たちの中に障がい児を入れる時のお母さんの不安と恐怖の気持ちは忘れません

・他の子達はどんな発達なんだろう
・お友達について行けるのだろうか
・行き渋りがなければいいな
・幼稚園行事をみんなと同じようにできるかな
・担任の先生は理解があるのかな
・そもそも、友達と遊べるのかな
・遊具を使えるのかな?
・昼食を食べられるかな?
・いじめられないかな
・変な目で見られないかな

・・・・悪い事ばかり思いこみすぎていました

ところが、幼稚園1年目が終わる頃、私が思っていた不安の量よりも穏やかな園生活を送れたことや、自分にもママ友達ができたこと、周りのお母さん達が暖かい方に恵まれた事など、良かった事の方が多い幼稚園生活でした

精神的に気を使って疲れることはあったけれど
それは私が周りのお友達と比較して自分の自己肯定感を下げてしまっていただけで、子供は刺激の多い環境で嫌でも言葉に触れる経験お多さや人の様子を目にすることで友達のマネをすることで自分でできる事が増えたし、遊び方をゆっくり覚えたし
仲の良いお友達もできました

マイナスな事ばかり考えて毎日を過ごしていた私は、それなりに大きなトラブルもなく過ごせた幼稚園生活を振り返ったときに
感動してほっとして、大人泣きしたものです

子供は成長する

子供が【障がい】と診断が出たばかりのお母さんに伝えたいです。

今は未来の子供の姿なんて、いっさい想像できないでしょう

でも、子供は必ず成長すること!親が信じてあげること!

私は息子の事を、いつまでも “できない子” と、とらえるのではなく、“今はその時期ではないんだ” という受け止め方をしています

人と比較して成長に一喜一憂するのではなく、我が子のペースで育てばそれでいい
そう考えるようにしてみてください

発達がゆっくりな子供だから、一つの事ができるようになるまでには時間がかかります

でも、1年後、過去を振り返ると「できるようになったね」と言う事柄が1つ2つと増えてきますし、年齢が上がるにつれてできるようになるペースが加速します
いつまでも子供の成長が停滞していることはありません

 

子供に診断が出たばかりの今はとっても辛い時期です
でも、目の前の子供は【障がい者】ではなくあなたの子供で、今までと何も変わりません

一人で子育てを抱え込まないで、辛い時はつらいって言えるご主人や、支援センターの相談員、医者を利用して下さい

共通するお話をできるママ友達を作ったり、親の会に参加して同じ悩みを共有できる仲間を作って下さい

自分より少し先の子育てをしている先輩ママ友達も、作って下さい

どうしても疲れたら、子供を預ける事だって考えていいです
「お母さんが我が子を見られなくてごめんね」って、落ち込んでいるお母さんがいたけれど
距離をとる事で笑顔で子供と向き合えるなら、それもありだと私は思います


私は息子が療育園へ行っている間の時間、子供と離れていられることで、ホッとしていました。
ホッと落ち着く時間を得る事で、息子が帰宅してきた時に笑顔で関われるように努められました

親も子も、精神的にも体力的にもつぶれてしまう前に、笑顔でいられるにはどうしたらいいのか
行政や福祉制度をうまく利用して下さい