みんなと同じ事が同じ時に出来なくてもいい
大切な子供が 《障がい》 と診断を受けたあなたに
強くお伝えしたいことがあります
それは
「子供は成長します」
私の息子は自閉症スペクトラム障害があります
特性を持っている子供ですから
定型発達の子供に比べたらゆっくりな事は沢山あります
普通よりもゆっくりなだけです
1年後、2年後には出来るようになっていることが増えています
同級生の子供たちの発達のスピードを目にすると
落ち込む気持ちはよく分かります
自分が子供の名前を呼んでも反応がなかったり
「ママ」と言ってくれなかったり
子供が笑顔を返してくれなかったり
意思疎通ができなかったり
こんな子育て辛いよ、全然楽しくないよ…
そんな事ばかり考えている時期もありました
定型発達の子育てをしているお母さんに
嫉妬ばかりしていました
私ばっかり不幸でかわいそうだって思っていました
でも、子供へ真剣に向き合っていれば
子供が返してくれる時期が必ずやってきます
長い目で子供の成長を見守ってください
療育も、成長も、「待つ」行動は
いつまでもついて回ります
速さは求められません
今できないことは
“まだ時期ではないんだ” と思うようにしています
子育ての協力者を探そう
障がいのある子供の成長には
親子だけでは乗り越えられない事が沢山あります
あなたとあなたの子供が居心地の良い療育施設
頼れる相談施設
同じ子育てをしている親子の会やママ友達
の存在が、あなたの心の支えになります
そういう場所は、待っていても見つかりません
行動して見つけてください
…とは言っても、行動するにも勇気がいりますね
私も自分から会話を切り開く性格ではなく
人の話を聞く方が得意の黙っている性格でした
でも、自分の子供の為に
私から心を開くようにしました
そうすると、理解者が増えていきました
息子の成長に一番力を借りることができるのは
お友達の存在です
私は、息子の同級生の子供たちに
心を開くようにしました
お友達からの影響が
息子の成長への一番の協力者でした
保護者に「私の息子の特性を分かって!」と
理解を求めることは難しいですし、
押し付けて理解してもらう事ではないと思っています
だから、私が子育てで一番大切にしていることは
勉強でも療育でもなく
子供のお友達関係です
私は息子のお友達関係がよりよく続くような関りをしました
お友達がどんな良い影響になった?
息子が地域の幼稚園へ通っていた頃
集団に入る事で刺激が多く、しんどそうにしている時期もありましたが
息子自身が “自分はどんなお友達と付き合うと楽か…”
という事が分かるようになってきました
性格が穏やかな息子には
自然と同じようなおとなしい性格のお友達が近寄ってきて
決まった数人と一緒に遊ぶようになっていました
その数人で遊ぶ居場所が幼稚園で出来たことは
毎日通う安心に繋がりました
定型発達の子供でも
会話を楽しむのではない性格の子供もいますし
男の子は特に、好きな遊びが共通であれば言葉は必要ではありませんでした
→ 例えば 砂・どろんこ遊び
黙々とお山や穴を掘るだけで
いつの間にか砂の町ができています
そんな遊びで十分でした
毎日そんな遊びをしていると
「スコップを取って」と言われた指示を聞いていたり
完成すると「やった~」と達成感を味わっていました
→ 例えば 蝉取りやカエル取り
「あっちにおる!」「捕った」
そんな簡単な単語だけで一日中楽しく遊べます
子供たちが遊んでいる様子を見ていると
案外自分の息子だけができていないんじゃなくて
お友達にも苦手な事があったり
出来ないことだってあったり
他愛のない事でケンカをしていたりします
当たり前の事が普通にできていく同級生が
素晴らしく年上に見えていたけれど
やっぱりこども。園児さん。
「 普通の子供でもそんなもんか~ 」
って思える出来事も沢山見ました
これは、子供たちと関わらないと見えない部分です
→ 息子の友達を自宅へ遊びに誘う
自宅は息子の自分のテリトリーなので
安心して遊べます
誘う友達は複数呼びました
息子が一人で遊び始めたときや、
息子がゲームの理解を上手くできなかったときに
友達に「 楽しくないな… 」と思われないように
複数呼んでいました
男の子のお友達を自宅に呼ぶ事は
自宅が…けっこうな荒れ放題になります
準備も後片付けも大変ですが
遊びを通して息子が経験を重ねる姿を見ることが出できるので
私の大変さ以上の価値がありました
→ 私も子供たちと一緒に
鬼ごっこやドッチボールをして遊びました
遊びのルールの分からない息子へ私が見本になる事と、
友達が「ここはこうやで!」と、ルールを教えてくれます
親が息子へ「あれをしなさい、これをしなさい」と指示するよりも
友達同士の関りの方が息子は素直に聞きましたし、
真似をしようとしたり
友達がしている事や持っている物への興味のが増えました
私が子供たちと一緒に遊んでいると
お友達のお母さんから
「遊んでくれてありがとう」
「面倒を見てくれてありがとう」
って、感謝されるようになってきました
私は自分の息子が遊びやすいように
お友達と息子のコミュニケーションの仲介役になって遊んでいただけ
息子の方がお友達から沢山学んでいてありがたいと思っていたのに
感謝されて、驚きでした
小学5年生の今
学習面では、同級生には追いつけないけれど
特定の気の合う性格の友達と、いたって普通に遊んでいます
共通する好きな遊び(ニンテンドースイッチです)を通して
ゲームの会話をしてコミュニケーションをとっています
そんな普通の姿を見る日が来るなんて
過去の私は想像もしていなくて、幸せを感じています
最後に
子供が子供時代であるのは一生のうちの数年間
大人の時間、社会人として働く人生の方がはるかに長いです
子供時間は期間限定物
子供が子供として遊んでいられる間は
沢山遊ばせてあげよう
…そう考えて子育てしています
当たり前な事なんですが
日々の大変さで忘れがちです
「いつになったら我が子は
同級生と同じ事が出来るようになるんだろう」
そんなことばかり考えてしまいがちです
同級生に追いつきたくて
療育に力を入れてしまいがちです
私もそうでしたから…
週5日プラスα、療育へ必死に通わせていました
小学校就学先の進路を“支援学級”と決定した時から
「同級生と同じように」 という考え方はやめました
自立した生活が出来る大人に育てよう
豊かな人生を送れるような大人に育てよう
友達付き合いが自分の力でできるよう育てよう
息子のペースで育てばいい
この地域で育つのだから、
地域で見守ってもらえるように、私は取り組もう
そう、考え方を変えました
そうしたら、気持ちがとっても楽になりました
心配事や悩みは尽きないけれど
障がいがあるからといって悪い事ばかりではないです
他人と比べなくていい
子供自身の持っている力を信じて
特技を伸ばしてあげる事が
これからの時代は非常に大切になってきます
人とおなじことは評価されません
その子にしかない、オンリーワンを見つける子育て
みんなと同じ時に同じことができなくてもいいと思っているし
生きて行くうえで必要のない物は出来なくてもいい
そう思って、ゆったり子育てをしています