発達が気になる子供を持つ親の悩み【小学校進路選択】

《リョウコの子育て観》

発達が気になる子供を持つ保護者の悩み相談を受けました【小学校進路選択】

私自身も子供の発達相談でお世話になっている 【明石市の発達支援センター】で
発達の気になる子供の不安を抱えたお母さんへ、来年の就学へ向けて悩みや質問を頂いたことに対して
私は先輩お母さんとしてこれまでの事を話してほしいと依頼を受けました

➡ 子供の《通常学級・支援学級》の進路選択に悩むお母さんへ

 

私の息子は 《中軽度の知的障害を伴った自閉症スペクトラム》 があります
ですから、小学校入学1年生の時から支援学級を選択して学校生活を送っています

保護者のご質問頂いていた内容にお答えする形で、私がしてきたたこと・私が考えてきたことを、息子の様子を含めてお伝えして、共感して頂けたことをここにまとめています

Q:在籍学級を選択した理由は何ですか?

1) 子供の発達検査結果…発達指数の数値で判断

2) 毎日学校で授業を受けるのは子どもであるから、親の願い「通常学級で過ごしてほしい」を子供に託すのは違うと考えた

3) 息子は情緒が不安定なこともあります
1日の半分以上を過ごす学校生活では 通常クラス・支援クラスのどちらが息子にとって過ごしやすい場なのかを考えた

4) 支援学級の生徒数定員が最大8人と少ない環境で集中して授業をうけると、子供の能力の伸び率が高いことが発達検査や療育を受ける中で分かったから

Q:幼稚園生活と小学校生活の違いは何ですか?

小学校生活は 遊びではなく、授業である

・待つこと  ・着席すること  ・静かにすること  ・時間を守ること  ・その場にいること

を求められます

1年生の間はこれらのこと難しくても、年々できる力が身につきますし
長時間待つことができるようになります
我が子だけではなく支援学級のどの子供も、年々できる時間が伸びていて、驚く成長を感じていることです

Q:先生にお願いしていることはありますか?どのようにお願いをしていますか?

お願いをする前に、担任とより良い連携をとる事を先にする

学校の先生は多くの子供を教育してきたプロなので、多くの事をお任せしています

最低限お願いしたいことや、親の希望はつたえていますが、「何でも我が子が困らないように対処して欲しい、あれもこれも、全てを○○してほしい」 というお願いの仕方はしていません

 

それは、学校は息子が中心で動いているわけではなく、同じクラス子供たちと関りの中でバランスよく学校生活を送る必要があるからです

クラスメイトとより良い関係性を築くためには、担任に任せないと親の私にはわからないことだらけですし、何もできません

 

そのためには、先生にお願いする所と引くところのバランスをとるようにしています

また、「先生だったらどうするのが良いと考えますか?」と、意見や見解を聞く事もしています

1年間お世話になるので、より良い関係を築いていきたいですね
そうするなかで、「こんな生活力を付けたいと思っているのですが、学校でもしていただける事はありますか?」のように先生と話し合います

Q:子供の成長したところは何ですか?

全体的に、1年間を振り返ると成長した事ばかりです
それは、下級生が入学してきた時に感じます

入学前の今、悩んでいるお母さんは子供のできないことや気がかりが絶えない時期だと思います

 

入学1年目は慣れないこと、初めての事ばかりで子供が落ち着かなかったり、疲れて帰ってきたり、忘れ物が多かったり、かばんの中身がぐちゃぐちゃだったり様々なことがあると思います

でも、そんな生活にも年々子供が慣れてきます

一度に多くの事を求めずに、一つ一つの課題をクリアできたらいいと長い目でできる事を増やせたらいいんじゃないかと思います

私の息子も、給食袋を3つまとめて持って帰ってくることがあります

でも、毎日新しい給食セットを持って行けば給食を食べられるので別にかまいません
給食袋を忘れたくらいで学校生活に支障はありませんから

 

ランドセルの中身は、時間割をすることがめんどくさいので全ての教科書が入っています(めっちゃ重い)

でも、本人が “めんどくさい時間割をしないために選んだやり方” なのでいいんです

 

小学2年生までは、朝目覚めてから身支度するまでに30分間は ぼ~~~ っとする時間が必用でした

でも、3年生の頃からゲームで沢山遊びたい気持ちが強くなったので 「夜更かしはいけないけれど、早起きしてゲームをするのはOKだよ」というルールをつくると、自分で早起きをして朝の身支度を素早くするようになりました!

 

子供の成長が停滞することはありません

今できなくても子供のペースでできるようになる時期が必ずやってくるので
急がずに、その時期を辛抱強く待つ親の気持ちが大切です

Q:放課後デイサービスの利用をどうしていますか

幼稚園の時から通っている施設をそのまま利用したので、子供は環境の変化に困ることなく行く事ができました

➡ 子供の療育施設をどう選ぶ?=小学生編=

学校生活に重点を置くためにデイを1年間利用しない人もいましたし、学校生活で疲れているのでグッと日数を減らした人もいましたた

また、友達と遊ぶ約束をしたいと子供が言う場合もあります

そいう時にはデイを休んで好きな過ごし方をさせる日もあります
ただし、いつでも休んで良いというのではなく、理由を付けて「時にはリフレッシュしてもいいけれど、休んだ次は必ず行くんだよ」と約束を交わすようにしています

 

その他、“行事の練習で疲れているからデイを休む”
“学校が代休日だから、その日は自宅で過ごしたいのでデイを利用しない”

のように、リフレッシュする日もあります

Q:支援学級を選択することで、その先の進路の幅が狭まってしまう事が不安

私も、息子の就学前はその気持ちを持っていました

支援学級へ入学してからでも、“ああ、息子の進路は選択肢が少ない。将来の就労はB型と言われている所に行けるのかな?他の選択肢は難しいんだろうな…”

と思っていました

でも、5年間小学校生活を見ていて言えることは
小学校生活が、子供の人生を揺るがすものにはならない!!と断言できます

例をあげると、支援学級へ在籍する理由も様々です

1) 情緒の不安定さがあるので、不登校になって欲しくなくてまずは学校生活に馴染むことを重視したい
学校生活に慣れてきたら進級時には通常学級へ行けることを目標にしたい

2) ほんの少しの支援が得られるのなら、通常学級で過ごすことができるだろうと予想できるのだけれど
背伸びをして通常学級で学校生活を送ったとして、子供の自己肯定感が下がってしまう事が不安だから
支援学級でゆっくり慣れさせたい

3) 通常学級で毎日を過ごすことは出来ると思うが、それでは学習が身につかず、子供は何を学んでいるのか
分からない授業を受け続ける事を避けたい

…などなど、ご家庭の考え方や子供個々の状況によって進路決定しています

 

学年の進級時に支援学級から通常学級へ措置変更していく子供もいます

小学校の間は支援学級だけれど、中学校へ進学する時に通常学級へ入学する子供もいます

その時の子供の様子と成長によって、進む道は変わります

 

子供は成長しますから、今の状況で子供の将来なんて何も決まっていません

➡ 支援学級の生活 =小学1~2年生編=

Q:子供が漢字の学習が難しいんじゃないかと不安がっていて、なんて言ってあげればいいのか分かりません

私だったら、「難しくないよ」と ウソになることは言わずに
「大変な事もあるかもしれないけれど、お母さんと一緒に勉強しようよ」と伝えますし
「テストの点数が0点でもかまわないよ」とも伝えます

1年生で覚えられなかったら2年生で覚えたらいい 

今、焦る必要はないことを子供に伝えます

 

例えば、私の息子は音楽の授業が一番苦手です
歌う事も鍵盤ハーモニカもリコーダーも苦手です

それでも授業は受けないといけないから、とりあえず受けていますが
私は、歌えなくても楽器ができなくても生きていく中で必要ないから上手くできる事は求めていません
音楽会も、エアーでいいとさえ思っています

縄跳びや鉄棒の逆上がりができないと言っていた時期がありましたが、縄跳びも鉄棒も生きていく中で必要ないからできなくてもいい。ママももうできない。

とりあえず授業だから、練習だけはやらないといけないけれど、できなくてもいいよ。困らないから。

と、伝えています

 

子供の自己肯定感やモチベーションが下がることを言わないように意識して

できないことに着目せずに、できていることに着目するようにしています

私がいつもお母さん達にお伝えしていること

我が子と同級生を比べない = みんなちがってみんないい です

 

発達が気になる子供を育てていると、「普通の発達ならこのくらい…、平均ならこれくらいは…
みんなできているのに自分の子はできない…このままだと将来不安…」

と親は悩みがちですし、私もずっとそう思っていた人間です

でも、それは子供自身が感じている不安でしょうか?
ほとんどのことが親が感じている不安ではないでしょうか?

 

ある時から私は「なんで同じ年齢の時に同じことができないといけないんだろう?」と考えるようになりました

普通の人だって得意・不得意はあります
1年生の勉強が3年生で身についていたら十分だし、複雑な数式なんて解けなくても生活する知識があればいいと受け止めるようになりました

子供には子供のペースがあります
「この子はこの子。今は出来なくてもいい。我が子のペースで学べばいい。」そう考えています

 

そもそも人は、苦手なところを伸ばすことって時間と労力がかかります
でも、好きな事や得意な事は習得が早いし伸び率も大きい!

子供の苦手なところを必死にできるようにと取り組むよりも、得意な事を100倍伸ばす方が子供の成長は早いです

それに、今は興味のない事柄でも例えば洋画を見ることで
“英語で映画を見られるようになりたい” と思うようになったり
歴史漫画にはまって自分で歴史を勉強し始める人だっています
(余談ですが、私は「銀河英雄伝説」や「亡国のイージス」の影響で軍隊や自衛隊に興味を持ちました)

好きな人が興味を持っていることに対して自分も調べてみたり、好きになったりした経験はあるのではないでしょうか?

今は苦手なことや興味関心のないことだったとしても、何がきっかけで興味が目覚めるのかは分かりません

我が子と他人を比較せず、子供の成長を信じて待ちましょう


◇ 障がいのある子供を育てるお母さんのココロに贈るメッセージ ◇
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