障害のある兄をもつ“きょうだい児”に対して親が配慮できること

自閉症の兄を持つ“きょうだい児”へ配慮してきたこと

長男が自閉症スペクトラムと診断が出た時、妹は9か月

0歳児の娘に、兄のペース中心の療育園通いや公園遊びへ連れまわす日々に
「ゆっくり昼寝もさせられない、色々制限させてしまってごめんね」
という気持ちや罪悪感を持っていました

当の娘は、産まれた時から兄の姿を見ているので
「兄はああいう性格だ。めんどくさい時もあるけど、ゲームは凄腕だ。できる事もあれば苦手な事もある兄だ」と受け止めています

親は “普通のきょうだい だったらこんなやりとりをするのが当たり前だ” という事を知っているから
当たり前にあるはずだった きょうだい の関係性を与えられない事できょうだい児に
“不便をかけるわね” “嫌な思いをさせるかもしれないね” と考えてしまうけど
親よりも子どものほうが素直に “自分のきょうだいはそんなもんだ” と感じているようです

私が一番気を付けていた事は、娘が「お兄ちゃんばっかりずるい」という不満の気持ちを持って育ってほしくなかったので、兄の特性を娘に分かるように伝えながら育てています

子供の年齢が幼い間は気を使う事も多い場面がありましたが、息子は小学6年生、娘は小学4年生になった今は、どちらの子も自立心が育っているので “どちらをどう配慮する?” と繊細なほど意識する年齢ではなくなりました

発達障がいの子供を育てる後輩お母さんとお話する中で、年下のきょうだい児を持つ悩み相談も受けて来ました
私が実際に悩んだことや、対応してきたきょうだいの関係性で、聞いていて良かったと言って頂けた事をまとめています

娘に感謝を伝える

娘に言葉がしっかり伝わる年齢になった3歳の頃から、「ちょっとお兄ちゃんによしよししてあげるから待ってあげてね」
「お兄ちゃんの手伝いをする間、遊んで待っていてね」 と伝えるとともに、「待っていてくれてありがとう」や「○○してくれたからお母さん助かる」「〇〇してくれてありがという」と、娘の行動に対して感謝する声掛けを心がけるようにしています

時間配分はどうしても兄に合わせることが多くなってしまう代わりに、娘の事もお母さんはちゃんと見ているからね、という意味を含めた言葉かけです

娘だけの特別をつくる

娘が3才になると、自己主張ができるようになってきたので
娘の食べたい食事のリクエストを優先的に聞いたり
洋服を一緒に買いに行ったり、お菓子を一緒に食べたり
兄にはしていない娘だけの特別な事を一緒にしました

ただ、3歳の娘にとって、それを特別だと感じていたかは正直不明で…私自身の “娘の為にしてあげてる自己満足” だったかもしれないけど、そう接することで私の娘に対する罪悪感は減っていました

娘だけの特別なことは、娘の年齢が上がると、より強く嬉しいと思うようで、「買い物へ一緒についてきてくれたからアイスを食べよう」とか、「一緒にマンガを買いに本屋へ行こう」のように、お金や手の込んだ特別ではなく、ほんのちょっとした “ラッキー” 的な喜びがあるだけでうれしそうにしてくれます

これは普通のきょうだい間でもそうですよね

支援学級の説明を娘に分かるように説明をする

娘自身には兄が支援学級へ在籍していることを伝えるとともに、そのクラスがどういう子供たちが学ぶ場所なのかを、娘の年齢に合わせて分かるように伝えました

伝えた理由は、支援学級の授業って、楽しい内容の行事が多かったんですよ

お料理作りだったり、校外学習の回数が多かったり、娘に隠していても兄が持ち帰る宿題の内容が自分と同じようなことをしていることに絶対に気が付くので隠しようがありません

娘にしたら「しょっちゅう楽しそうな行事をしているけど、なんでそんなことしてんの?」って疑問を持つのは当然だし、「いいな~、羨ましいな~」って思ってしまうものです

支援学級で調理実習をや校外学習の行事がある時には

「調理実習では、クラスのみんなで協力して料理を作る目的だけじゃなくて、社会の授業でスーパーへお買い物をする練習をして、家庭科の授業で材料の栄養を考えて、算数の授業で材料の重さを測ったり計算したりする勉強が出来るんだよ」と説明したり、「校外学習は乗り物に乗る練習をしたり、歩くことが苦手な人もいるから体力作りをしたり、行先で社会の勉強をして帰ってくるんだよ」のように説明してきました

こうして娘にも話をすることで、自分のクラスで困っている同級生がいたり、ちょっと問題児?と思われる同級生がいたとしても、色んな子供がいることを偏見の目を持たずに受け止めて欲しと思いも込めています

娘の学力が兄を越した時

妹の学年が上がり、兄の学力を完全に越えてしまった時には

「人には人の習うペースがあるから、お母さんはそれぞれの人に合った学び方で勉強をしたらいいと思っているよ。」
「お兄ちゃんは、大人数のクラスだと集中することが難しいけれど、支援学級ではゆっくり教えてもらえるから勉強がしやすいんだよ」
「どの子供たちも自分がどちらのクラスが学びやすいのかを選べるんだよ」

と説明するとともに、「お母さんも忘れている漢字が沢山あるからね~、勉強ができるだけが偉いことじゃないよ」とか「全部の教科が完璧な人なんていないでしょ、誰だって好きな教科と嫌いな教科があるでしょ。それと同じだよ」なんてことも話します

私が気を付けているのは、妹が自分は兄よりも優っている、兄は劣っていると考えて欲しくない事です

「支援学級に在籍する子供はバカだ」と思ってしまいがちな小学生の時期、学力だけで人の判断をしてはいけないことを伝えています

そして、兄には自分が年上だというプライドがあります

自閉症は発達の偏りが極端に凸凹しているんですね
だから、得意な事はすごくよく出来るんですよ

私は、「お兄ちゃんはできなくて困るよね~」 「早くできるようになって欲しいよね~」と心の中で思う事はしょっちゅうありますが、その言葉は兄の尊厳を落とすようなことだから、子供の前では絶対口に出しません

「確かに漢字は苦手だけれど、100メートル走のタイムはクラスでも早い方だよね」と、できている所を評価するようにしています

娘の居場所を作る

娘にテニスを習い始めさせました
もともと、“私と一緒にちょっとラリーができるようになったら嬉しいな”という気持ちで習わせ始めたのですが、今では選手コースに入って練習しています

私の中ではテニスがめちゃくちゃ上手くなって欲しいという気持ちよりも “学校や地域以外で娘にとっての仲間が作れたらいいな”と思って続けています

兄とは切り離した娘の居場所があったら、娘がもし学校に居辛くなった時に良いかもしれない…なんて考えていました
娘には“支援学級のお兄ちゃんがいる”というのがついて回ると思っていたんですが、それは私の考えすぎでした

兄の学年の子供たちにはそう思われるかもしれないけれど、兄の学年と娘は直接接点がありませんし、娘の学年の子供たちは児童数が多いので、兄の存在を知られる可能性が少ないんです。だから娘は地域の中で、自分と気の合う友達関係を築いています

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