【ペアレントトレーニング】の達成しやすい指示とは

療育子育て

達成しやすい指示を出すためのテクニック

学校から帰宅した後の時間は 自由時間・宿題・食事・入浴・就寝支度
など、短い時間の中でしないといけない行動が沢山ありますね

息子の場合はゲームをしたり、遊びたくて
行動への気持ちの切り替えができませんでした

 

ペアレントトレーニングの方法を使った例

食事の時間に食卓へ着席して欲しい時に
どう声掛けをするのか

を実践してみた

1 予告

こどもに してほしい行動を支持する前には必ず予告 します

「今すぐやりなさい!」」

「今すぐ来なさい!」と言う伝え方は NG ですよ

ゲームをしている息子に
食事の時間に食卓へ来るように指示をします

 

《予告のポイント》

1 親は子供のそばに行く または 子供をそばに呼ぶ

家事をしながらなど、離れた場所から声掛けをしては、
子供の耳には届きません

 

2 子供の気を散らすものが周囲にあれば、取り除く

テレビを消す
好きなおもちゃが落ちているなら拾っておく
行動を実行するために、妨げになりそうなものがないか
環境を整えます

 

3 子供と視線を合わせて、親の話を聞いているのか確認する

じっと目を合わせなくてもいいので、一瞬でも親と目線を合わせて
こちらに意識が向いているのかを確認します

 

4 してほしい指示を予告します

「もうすぐご飯の時間だから、ゲームはあと10分だけね」
「あと3回したら終わってかたづけてね」

など、今している行動を許し、約束を決めます

 

● 約束事を理解したかどうか、復唱させるのも効果があります

● 親の指示を聞くことへ反抗心があるようなら
「いつならやめることができる?あなたが決めてね」
と本人の意向を尊重することも必要

● 親も子供も納得できて、実行可能な約束を交わします
「30分後!」や「10回」など
親が納得できない分量を子供が提案したら
親もここまでは我慢できるけど、これ以上は譲れないと
こちらの意見も話して、お互いに相談して決めます
「じゃあ、間をとって15分ね」など

「15分後にゲームを終えて、食卓へ座る」約束をします
15分後の時間はタイマーをセットしたり、
本人が時計をみて確認するのか
相談して決めても良いですね

 

予告の大切さは
自分に置きかえてみるとその気持ちがよく分かりますよ

例えば、赤ちゃんの育児をしていて
赤ちゃんが寝ている間にとりあえず昼ご飯でも食べようと
カップラーメンにお湯を注いだ所で
赤ちゃんが泣いて起きてしまいました

ラーメンが伸びてしまう事を気にしつつ、
赤ちゃんが落ち着くまで抱っこしてあやしますよね

 

赤ちゃんを抱っこしながら熱い麺類を食べることって
難しいですよね

前もって赤ちゃんが起きると分かっていたら
カップラーメンにお湯を注がかなったし
食べる時間を変更したり
食べるものを違うものにしたり
対処ができたのにって考えますよね

子供もそうなんです
好きなテレビをみていたり、ゲームをしていたりすると
急にやめることは苦痛でしかありません

2 CCQ で指示する

C:Calm = 穏やかに(あなた自身が穏やかに)

C:Close = 近づいて(こどもに近づいて)

Q:Quiet = 落ち着いた声で(声のトーンを抑えて、はっきりとした口調で)

1)予告で約束していた時間になったら
子供の近くへ行き
指示を穏やかに、はっきりとした口調で
短い言葉で伝えます

「15分たったよ。何をする約束だったかな?」

2)1度の声掛けでは子供が反応を示さない事も予想しておきます

3)子どもが指示に従うまで見守る

4)更に数回 「15分たったよ。何をする約束だったかな?」と催促する

↓ ↓ ↓

少しでも、行動できたら褒める!

 

約束事を決めても
直ぐには出来ない・指示を守れない事を
予想しておくと、イライラしません

 

“25%ルール” という考え方があります
目標達成が100%だとしたら
そのうち25%の割合で達成できていたら合格と思っておくと
気持ちが楽になります

 

3 ブロークンレコード

約束の時間が来たことを伝えた時に

「え~っ」とか「まだもうちょっと!」など
要求してきたり、反発したりすることがあるでしょう

 

その態度に「さっき約束した事を忘れたの!」と
親も反応していたら、今までと何も変わりません

 

子どもと言い合いになっていると
してほしい行動目的があったのに
そもそも、何がしてほしくて言い合いになってしまったのか
子どもには分からないままです

 

子供の口答えに耳を貸さずに

「15分たったよ。何をする約束だったかな?」と

壊れたレコードが、同じ個所を何度も再生するように
同じ言葉かけを淡々とくりかえします

例)

「10分たったよ。何をする約束だったかな?」

「え~!もう!早いな~」

「15分たったよ。何をする約束だったかな?」

「あと5分」

「15分たったよ。何をする約束だったかな?」

「だってまだセーブできてないからゲームを終われない」

「15分たったよ。」

 

このやりとりが何回続いて指示を聞く事が出来るのか は
個人差があります

息子は、結局指示を聞けない時もあったし
8回繰り返すこともしょっちゅうありました

 

 

このやりとりを繰り返すことで
子ども側が

“あ、お母さんがこのパターンに入ったら、
僕が何を言っても絶対に譲らないな”

と理解すると、繰り返す回数が減ってきました

4 ほめる

約束時間を守れなくても
少しでも行動ができていたら褒めます

8回も ブロークンレコード を繰り返していると
正直最後に褒める気持ちはなくなっているのですが
そこは “私は大人” と自分に言い聞かせて
息子を褒めました

 

褒め方は人それぞれ

・言葉で褒める
「食卓に来ることができたね。
お母さんはあなたと一緒に食事をしたかったのよ」

・行動で褒める
頭をなでる・ハグする・ハイタッチをする

・ご褒美で褒める
「食後にはデザートを用意するわね」

子供に合った褒め方を考えてみてくださいね

 

まとめ

ペアレントトレーニングの方法を

日々の慌ただしい生活の中では
マニュアル通りに取り入れて対処することって
難しく、不可能なことだって沢山あります

このマニュアル通りにできなくても、
お母さんや子供の特性に合わせて
ポイントだけ抑えて実行することが
上手く子供への関りに対処できるコツだと思います

 

私の場合はしてほしい事柄を2つに決めて
以下の3つだけを守って接してきました

《してほしい事》

食事の時間は家族で食卓に座る

就寝時間を守る

 

《接し方》

・約束事を息子と話し合い、本人の意思を尊重する

・本人が約束を守ることができなくても
“25%ルール”を心得て
叱らず、淡々と「時間になったよ」とだけ、伝える

・イライラ感情的になりがちな息子だったので
親は感情的にならないように、常に穏やかに対応を心がける

 

 

日常生活の中のルールは
命にかかわるようなことは有りません

約束を守らなくて、食事をとらなければ
本人がお腹がすくだけだと思い放っておきました

1食ぐらい食べなくても死にません

 

就寝支度をのんびりしている息子を横に
私は末の子供を寝かしつけがあるので、
いつまでも息子を待っていることができません

「先に寝るから、身支度が整ったら寝るんだよ」
と放っておくと、数分後に布団へ来ていました

 

それぞれのご家庭で
それぞれが取り組みやすい部分をチョイスして

実行 → 褒める成功体験

を重ねることが
良い関係性を保てるのではないかと思います

 

なにより、完璧を求めると
子どもも親も良い関係が保てなくて
疲れてしまいます
私は息子とそうなっていました

 

発達障がいの子育ては 忍耐 が必要です

本人自身の課題達成も “25%” できていればいい

と、ハードルを下げておくと
ストレスなく過ごせました

 

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