子供に知的障害が伴っていると診断が出て
親が悩むことは
学校はどうなるの?
勉強はどこまで覚えられるの?
高校はいけるの?
大学はいけるの?
就労は?……
当たり前に子供が進むべき進路
でも、知的障害のある我が子はいけるのか?
そもそも知的障害のある子供がどのような進路をたどるのかが分からなくて
将来真っ暗
不安になりました
そして、療育園で出会ってきたママ達も同じ想いでした
型通りの高校・就労という進路に進まなくてもいい
現在の私は息子の進路について
“高校に固執する事はない
進路の節目に、息子と相談しながら、よりよく過ごせる環境に進めたらいい”
って、柔軟に考えられるようになっています
中学を卒業したら高校へ とか
高校卒業したら就労へ と、決めなくてもええやん!って。
知的障害を持って生まれた息子には、学習だけじゃなく
もっと遊んで楽しい経験をしてほしい
障がいがあるから、将来の選択肢が少ないなんてつまらなさ過ぎる!!
私たちは、自分で考えて進学するのか就労するのか
アルバイトなのか契約社員なのか
やってみたいバイトを経験したりと選択してきたのに
障がいがあるから、職業の選択が限られているなんて…
障がいのある子供に必要なのは遊びを通したリアルな経験よね
そう考えるようになりました
そんな私でも、最初からそんなおおらかに考えられたわけじゃないです
子供の学習への成長を見ていて、その都度考えさせられたからです
息子の学習の取り組みについて、記事にします
小学校入学時
私の息子は地域の小学校支援学級への進路選択にしたのですが
子供が小学校へ上がり、学習面について不安に思った事は
〇 何年生の学習まで覚えられる?
〇 同級生についていける?
でした
ママ達のウワサでは
「支援学級では小学3年生の学習で頭打ちだ」
「中学の支援学級では小学4年生の学習までしか教えてくれない」
「医者は、小学3年生の学習が身についていたら生活できるというが
3年生までの学習だなんて…それって高校受験は出来ないという事よね?」
そんな話ばかり
そして、過去の私もその話を聞いて
めっちゃ必死は療育ママになっていました
まず、小学校就学前には
「小学1年生の間ぐらいは、通常学級へ進級できないか」
そこを目標にして幼稚園時代も必死に療育施設へ通わせていました
結局、子供の特性や成長をみて
小学1年生から支援学級で入学することを決めたのですが
夏休みの懇談で担任に話されたことは
「これまで学んできたストックがつきましたね~」ということ
どんなに頑張っても
通常の子供の発達スピードについて行けるわけではない
そのことを改めて認識しました
そこから私の考え方が変わっていきました
“親的には、高校卒業資格が欲しいわけではないから
公立・私立高校を目指す必要はない”
↓ ↓
“支援高校で、就労へ向けた授業を受ける方が息子の人生には
適しているんじゃないか”
↓ ↓
だから、これから学習していく事は、
〇 子供のペースで良い
〇 生活する中で必要な単元を勉強させてほしい
〇 受験するタイプの支援高校を考えているので、その受験に向けた課題を与えて欲しい
と、息子が小学3年生の時に、担任と話し合いました
小学1年生
《国語》
ひらがな ・ カタカナ : 読める。書き取りは難しい文字もあるが、何とかクリア(まちがいもある)
漢字 :できない
単語や語彙 2語文 を学ぶ
《算数》
好きなジャンルなので、数唱0~20まで
キューブを使って1が1であること、2が2である事を理解する
簡単な一桁の足し算ができるようになる
《体育・図工・音楽・生活》交流学級で学ぶ
小学2年生
《国語》
カタカナ ・漢字(1年生):基本的に書き取りは苦手で苦労する
単語や語彙 ・ 2語文から3語文
《算数》
1桁の足し算をマスター ・ 九九の暗記 ・ 時計の理解(今何時)
《生活・体育・音楽・図工》交流学級で学ぶ
小学3年生
《国語》
漢字 : 小学1年生をマスターし、2年のドリルに入るが、一気に難易度が上がって苦戦
語彙・3語文 3行程度の簡単な文章を書く・読む
《算数》
九九をマスターする ・時計を読む ・定規やコンパスを使ってみる
2桁3桁の足し算・引き算の(ひっ算)ができる
★ゲームをきっかけにキャラクターが強くなると数字で表示される事や
自分のキャラクターと敵のキャラクターが数字でレベル表示されることから
大きな数字にめちゃくちゃ興味が出ました。万・億・兆…大好き!!
《社会》 一切興味がない
《理科》 理科室で行う実験の授業の時は交流学級へ行く
座学はなかよし学級で行う
《生活・体育・音楽・図工》交流学級で学ぶ
★ この年、音楽会の練習が嫌いだと、息子が自分の意見を始めて言ったんです!
めちゃくちゃ珍しい事だったんですよ
自宅では「なんで何回も練習するんだ!」と怒りまくっているんです
「“音楽会”っていう、お父さんやお母さんが見に行く発表があるでしょう。
その発表の為に練習を何度もするんだよ。
ママは楽しみにしているよ」
息子は、なんで同じ曲を何度も何度もやらされているのか理解できなくて
ステージに立ち続ける事が苦痛でイライラしていました
「発表会が、最後やねんな」と、ゴールが見えたことで
しんどいけど仕方ないと何とか練習に取り組んでいました
演奏している側は、全体練習となると
どこができていないのかなんて分からないもんね
っていうか、毎年してきた音楽会だけれど、
今更、この練習は何のためにしているのか?って疑問に思ったんやね
いつも流れで練習に取り組んでいたんだねって分かりました
正直私は、子供が音楽を嫌いであれば
生きて行くうえで必要がない教科なので
させなくてもいいと思っているんです
その事も担任に伝えたんです
「必要のない苦手な教科をさせるより
興味のある事を学んでくれた方がありがたいのですが」と
すると、担任の意見は 「交流の場」として音楽の授業へ行かせたいという意見でした
(小学4年生になれば、連合音楽会という大きな行事へ向けての練習も込めて)
担任の意見を尊重して、本人の様子を見ながら
音楽会シーズンの課題は本人の様子をみつつ、過ごしています
小学4年生
《国語》
小学2年生の漢字 ・ 文章問題に慣れてくる ・語彙
「漢字が嫌いや~~~!国語が嫌いや~~~~!」と認識する
何度書いても覚えられない、うまく書き取りができない困難がある
《算数》 割り算 ひっ算の掛け算・割り算 ほんの少し図形
《理科》 単元により、交流学級で学ぶ
《社会》 自分の住んでいる町の授業 日本地図に取り組むが、興味なし
漢字で都道府県を読むことが困難
《英語》 交流学級で受ける
《生活・体育・音楽・図工》交流学級で学ぶ
★学習面については、同級生と同じことは出来ないけれど
体育や生活面、遊びについては同級生と同じことができることもあるし
息子の走りの速さをクラスメイトに認めてくれて、運動会ではリレーのアンカーを任されました
私も、支援学級担任もびっくり!!でした
★複雑な日常会話はできないけれど、簡単なやり取りはできる。
★どの学習においても、過去の問題が出ると解き方を忘れているので
復習を何度も繰り返しながら新しい事を学ぶ授業をしている
支援学級は、ゆっくり何度も積み重ねて学習ができるし
復習できる事が大きなメリットですね
通常学級では、進んでいく一方ですから。。。
小学5年生
《国語》 小学2年生の漢字 ・ 文章問題
《算数》 小数点の理解 ・ 図形
《社会・理科》総合的に、本人の理解の範囲で学習
《生活・体育・音楽・図工・家庭科》交流学級で学習
まとめ
どの教科についても、本人の苦手な部分は、本人のペース+本人のレベルに合わせて
生活に関連させながら学習を進めています
例えば、支援が急では調理実習の授業が多いんです。
作業をしながら計量してミリリットルやグラムなど単位を使っていますよ
本人の得意とする教科や得意とする単元は、学習を前へ進める事ができています
各学年で学ぶべきことを教科書に出てくる順に学ぶのではなく
例えば2年生の算数では “㎗ ・ ℓ”の単元や
国語で “詩 ・俳句”の単元を息子はしていません
私自身も、息子の宿題に付き合っていて感じた事は
小学3年生の時に2年生の漢字ドリルが全然覚えられないし、
うまく書けなくてイライラしている様子でした
何度も何度も、同じ課題に嫌気もさすだろうし
自分ができない事へのいら立ちもあるだろうって
見ていても苦労が伝わりました
「勉強は、今この単元ができなくても
数年後に出来るようになるのだから、慌てなくていいよね」
「大人になったときに、街中の看板が読めたらいいし、
読めない漢字があったらスマホで調べる力をつけてあげればいい」
そう考えるようになりました
最低限の学習は必要ですが(させないと、自分から勉強は絶対にしないので(;’∀’))
学習は一人でも取り組めるし、大人になっても勉強できる
私が子育てで大切にしていることは
今しかできない子供らしい体験を沢山させてあげる事が優先順位の1番目です