小学校中学年対象の【ペアレントトレーニング】

療育子育て

ペアレントトレーニングとは

1960年代~ アメリカを中心に始まりました

医療や子育てなど様々な分野で応用、実践されています

子供の生活スキルの向上・問題となっている行動の減少、
親の養育スキルの獲得、親のストレス現況の効果があるといわれている

 

私が初めて “ペアレントトレーニング” を教わったのは
息子が 自閉症スペクトラム障がい と診断された後、
息子が2歳後半から3歳にかけて学びました

 

息子が小学3年生の頃
子供の成長に伴い、息子の自我や意思の芽生え
反抗心が出てきました

これまでの息子への関わり方では
上手くいかない事が増え
親も息子もイライラ…ストレスの溜まる生活になりました

 

今までの療育子育てでは
『穏やかに』 『落ち着いて』 『感情的にならずに』
『褒めて育てる!』
丁寧に分かりやすくを心がけて息子へ指示を出していたのですが
小学3年生の中ごろから特に
「うるさい!!」と怒り口調の返事しか返ってこなくなりました

ただ単に褒めるだけでは効果が無くなっていることや
反感しか買わないような反応しか返ってこなくなりました

その悩みから、再度ペアレントトレーニングを学びました

 

この記事では
思春期に差し掛かるこどもへ向けた関わり方 を学んだ事を
私なりに解釈して記事にしています

1 生活の中で子供の困りごと

  • 歯磨きや身支度に時間がかかる
  • ゲームを終われない
  • 宿題に取りかかれない・集中できない
  • することがあるのに、ぼーっとしていることが多い
  • 注意しても、同じことを繰り返す
  • とにかく指示を聞けない

家庭によって、子供にしてほしい事は様々ありますよね

日常生活の中では、
朝の支度 → 学校 → 放課後デイサービス等療育・習い事
→ 夜間の家庭内での過ごし方 → 明日の支度

限られた時間の中で行動することがとっても多くなります

たくさん遊びたい気持ちのある子供にとって、
時間になったら遊びを終えて
気持ちを切り替えて次につながる行動することが求められます

その、楽しい事から次の行動へ気持ちを切り替えることが
難しくて、本人のイライラの要因になっていました

2 関係性の悪循環

《悪循環の例》

●簡単な支持を出す

「連絡帳をお母さんにちょうだい」

ゲームをしている息子は 無反応

もう一度「連絡帳をお母さんにだしてね」と伝える

息子は無反応

●叱責
「聞こえてる?!絶対に聞こえてるよね!!連絡帳!!
怒り口調で指示をします

●認めてもらえない・自信喪失・意欲の低下
イライラした息子は
「何でやねん!うるさい!!」と激怒

「連絡帳を出すくらいで、その態度は何?!」
と、私も叱り口調になる

お互いにイライラした いや~な空気が漂う

 

悪循環のままでは、親子ともにストレスがたまってしまいます

毎日学校生活を頑張っている子供が
唯一好きな時間を過ごせる自宅なのに
その自宅にいる時間さえストレスがかかる場所では
やりようがないですよね

 

《プラスの関係へ》

●行動の客観的観察

きょうだいで楽しく遊んでいる

●好ましい行動に注目

妹が上手くいかずに困っていることを助けてあげる

●褒める・達成感

「妹のお手伝いができてすごいね!優しいお兄さんだね」

●子供の自信につながり、問題行動が減る

“妹にも、お母さんにも感謝された!
また、困っていたら手伝ってあげよう”

 

こんな プラスループ が毎日起こればよいですね

3 子供の行動には理由がある

●子供が “する” こと
●子供が “しない” こと

それぞれには する理由としない理由 があります

 

●子供がすることは 好きな事・得意な事 である

・興味のある事だから上手になるし、少しの失敗も乗り越えられる

・長い時間取り組んでいても疲れない

・褒められるから継続できる

 

●子供がしない事は 嫌いな事・苦手な事 である

・取り組むためにものすごいエネルギーを使う

・少しの取り組みでも疲れてしまう、嫌悪感が残る

・失敗するからやりたくなくなる

↓ ↓ ↓

こどもの 嫌いな事・苦手な事 って何だろう……
思いつく事はありますか?

 

  • 体の使い方や手指の使い方はどう?(手先の不器用さ)
  • 日々の生活動作はどう?(環境がごちゃごちゃしていないか)
  • 姿勢は?(体幹が弱い)
  • ものの見方は?(指示する所を見ているか)
  • 話を聴ているときの様子は?(気になる事があって注意がそれていないか)
  • 嬉しい時・イライラしている時の様子は?

 

こんなふうに、子供の 得意と苦手 

観察 して 知る ことが大事なんです

 

子供の発達には個人差があります
お母さん達は、我が子の特性や性格をよく分かったうえで
子供と接していることでしょう

意識して観察すれば
すぐに子供の 得意と苦手を察知することができるはず

4 子供の行動を観察しよう

《観察するポイント》

  • 行動が起こったときの状況は?
  • 行動への対応の結果どうなった?
  • 問題となっている行動の継続時間・頻度・程度・
    それによる本人や周囲への影響の強さ

《子どもの行動が改善されるためのポイント》

  1. 始めから高望みをしない
  2. 子供の行動を冷静に観察する
  3. スモールステップでする
  4. 子供の特性に合わせる
  5. 適切な行動を増やし、不適切な行動を減らすための“仕組み“
    を理解して関わる

 

息子の場合は幼いころから
1.始めから高望みをしない これにつきました

本来、親は子供にどんなことがらでも “期待” していますよね
“期待” したところで同級生に発達面では追いつけない事は
嫌と言うほど体験してきました

 

高望みをするのではなく
冷静に子供が今どの程度の事が出来るのか
本人のレベルに合わせて
本人のレベルでできる事を伸ばす考え方で
常にいるようにしています

5 子供の行動を3つのタイプに分けて考える練習

子供の行動には
必ず きっかけ や 原因 があると言われています

以下に例を4つ上げます

 

● 例1)) 物・活動の欲求

A:状況・きっかけ
おもちゃを買ってほしいと騒ぐ子供

B:行動
静かにしなさいとなだめても収まらないのでおもちゃを購入する

C:結果・かかわり
子供が騒ぐのをやめる

小さい子供ならよくある光景ですが
ある程度大きくなったこどもが
こういう行動をするのは自分の欲求が通る事を分かってしている行動です

 

● 例2))回避・逃避

A:状況・きっかけ
宿題に取り組みはじめる

B:行動
「おなかが痛い」と言う

C:結果・かかわり
宿題をやらなくて済む

苦手な事をやりたくないから仮病をつかったり
頻繁にトイレへ行ったり
そんな小学生や中学生の話を聞きます

 

● 例3))注目欲求

A:状況・きっかけ
お茶をこぼして服を汚す

B:行動
親は慌てて着替えさせる

C:結果・かかわり
お母さんが自分に関わってくれる

 

● 例4))自己刺激・楽しい

A:状況・きっかけ
テーブルの上にのって遊ぶ

B:行動
「やめなさい」と注意されながらテーブルからおろされる

C:結果・かかわり
お母さんの顔が面白くて笑う
抱っこをしてもらえる

 

息子は幼いころ
例4の行動が沢山ありました
わざとイタズラをして、
親が「コラー!」とリアクションすることを楽しんでいました

親が追いかけてくることが面白くて
わざと道路へ飛び出したりしていました…

親は疲れますしイライラします。
どんなにイタズラをしていても
それが注目行動だと気付いたときは
命の危険がない限り 無反応・無視 で対応していました

6 ほめ方を意識する

ついつい、親は子供の
してほしくない事 や やめて欲しい事
が目についてしまいますよね

でも、反対の目を持つことも大切です

 

● 良い事ができていることに注目して褒める

「今日は着替えが素早く出来たね!」

● してほしくない行動をしていない時に、すかさず褒める

「いま、静かに座っていたね!すごじゃない!」

って、褒めることが大切です

 

褒め方のバリエーションを考えてみます

● 褒める時の声のトーンを考えてみる

優しく言う・大げさに褒める

● コトバかけ以外の褒め方を考える

ハグする・頭をなでる(スキンシップで褒める)
拍手をする・「いいね」の手の表現をする(視覚的に褒める)

 

褒める時に注意することは

「出来たわね、最初からそうしていればよかったのに」 や
「すごい!前からずっと言っていたのに」 など

マイナスの要因を入れた褒め方をしないこと です

ついつい、余計な一言を言ってしまいがちなんですが…
素直に褒めるのが大切です

 

7 環境を整える工夫をする

  • 気になる物・苦手なものを取り除く、ついたてで隠す
  • 事前に予定を予告する
  • 指示やルールを視覚的に示す
  • 適切な行動を始めやすいように手掛かりを目立たせる
  • 本人の好きな物や活動も取り入れる

してほしい事があるのに、集中できない環境では
子供にとって酷な状況ですよね

 

まとめ

達成しやすい指示を出すためのテクニックを
↓ ↓ こちらの記事にまとめています

◇ 子供が達成しやすい指示・かかわり方の工夫 ◇

 

関わり方・声掛け・親の心構えのコツを記載しているので
ぜひ読んでみてください

 

ペアレントトレーニングを学んで、かかわり方の理屈を学んでも
慌ただしい毎日の日常生活の中では
全ての行動に対して 観察 して 関わって言葉かけをすることは
不可能ですよね

私の場合は息子の他に2人年下のきょうだいがいますから
息子にばかりかまっている暇は有りません

だから、取り組みも スモールステップ を心がけました

 

子供に 直してほしい・してほしい事 は沢山あるけれど
一度にすべてに対応しようと思わず
一つ一つ、一番直してほしいこと または 一番してほしい事の
優先順位をつけてトレーニングに取り組みました

 

特性を持つ子供ですから
毎日の学校生活では私たちが思っている以上に
ストレスのかかる生活をしていて疲れきっているはずなんです

それなのに、家庭でも課題を多く与えては
子供は休めないですよね

 

私自身、学校から帰宅したらだらだらと生活していました

そんな自分の小学生時代を思い出しながら
息子に対して
1つ頑張ってもらう
9つはおいおいできるようになればいい

そんなゆる~い対応をするようにしています

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