【自閉症児の偏食】息子の“食べられる理由”と ”食べられない理由”

療育子育て

【自閉症児の偏食】息子の“食べられる理由”と”食べられない理由”

自閉症スペクトラム障害を持つ息子の《偏食》に対して、親が思う事

“ 色んな食べ物を食べられるようになって欲しい ”
“ 栄養バランスの良く食べ物を食べて欲しい ”

そんな当たり前の願いがあります

『どう調理すれば、息子は おいしく・抵抗なく 食べてくれるのかな』

そんな事をずっと考えながら、療育育児に忙しい中、一生懸命食事を作って与えるものの、目新しいメニューは食べてくれない時の方が圧倒的に多かったです

小学生になった息子は、食べられる食材やメニューが、1年1年の子供の成長と共に、1品、また1品とゆっくりペースで増えています

極端な偏りなく、穀類・肉類・野菜類の栄養バランスの中でそれぞれ食べられるものがあるので息子の体調は、今のところいたって健康です

 

息子が小学5年生になった頃 【食べられる理由・食べられない理由】を少しずつ、教えてくれるようになりました

このブログは “なぜ、食べられるようになったのか” 気が付いた点と、息子がしていた行動をまとめた記事です

全ての自閉症児に当てはまるわけではありませんが
“特性のある子供は、そういうモノの見方、捉え方をするんだな~”
と、読んでいただきたいです

 食品のパッケージ写真を見て、何が入っているのかが分かる安心感

3~4歳ごろ、ピザのチラシやお弁当メニューなど、お店のメニュー表を眺める遊びが好きな時期がありました

そんなに眺めているのに、食べられないものも多かった年齢です
何が魅力的なのかは、本人にしか分かりません

夕食を食べながら、チラシを眺めていることもありました
食べている物と、チラシのメニューは一致してないんですけどね…

 

私が作ったカレーライスを嫌がって食べなかったとしても、レトルトカレーのパッケージ写真を見て
レトルトカレーそのものを目の前でお皿に出すと「同じ!」と喜んで食べる姿も良くありました
(イラっとしますよね。ママも同じもの作ってるんですけど~って)

チラシやパッケージの写真を見て食べ物を確認してから食べる様子もありました

どうやら、「食事前に今日のメニューの予告をすることが効果的なのかも?!」と思ったことがありました

テーブルに配置された食事をすぐに食べるのではなく、ひと手間、スマホで写真に撮った食事を子供に見せて予告することで安心を与えられる場合があります

現在息子の通う小学校の支援学級では、毎日これをしています
朝の会で、今日の給食メニューを確認しています

好きなメニューだと食事が楽しみになるし、苦手なメニューだと心構えができますね

調理している工程を知る

3~4歳ごろ『子供と一緒に調理をすることで、手先の療育にもなるし食育にもなる』
と書いてある療育本を目にしました

が!息子は普段の食事作りに全く興味を示さず、台所へ連れてくることが難しかったので一緒に食育をすることは難しかったんです

4~5歳頃『アンパンマン』を見られるようになりました

アンパンマンでは食べ物のキャラクターが登場し、
キャラクターは自分の食べ物を調理してみんなに提供します
(“てんどんまん”なら天丼が得意料理
“鉄火の小巻ちゃん”は鉄火巻きが得意料理など)

そのキャラクターが調理をする時、子供に分かりやすく料理工程を解説しているんです

・具材は〇〇
・煮る・焼くなど調理方法
・お出汁を入れる・ソースをかけるなどの仕上げ

一方、お腹が空いているキャラクター達はウキウキ気分で調理している様子を見て「早く食べた~い♡」と、出来上がりを楽しみにしています

出来上がると、料理をおいしく「おかわり!」と言いながら食べます

 

その様子を何度も見るうちに、息子は「カルボナーラって何?」というように、時折興味を示す食材が出てきました

“パスタおばさん”というキャラクターがカルボナーラを作っていたんです!アンパンマンがきっかけで、息子はカルボナーラが大好きになりました

でも、キノコクリームやたらこクリームパスタは嫌いです
私にとって似ているのに…と思う食材でも息子にとっては違うものなんですね

 

子供たちにとってアンパンマンは、ヒーローな上に偏食のある子供にとっては食育番組にもなる本当にありがたいマンガです!!

お買い物で食材を知る

買い物は、食材を見て・触って・知る事ができるチャンスです

子どもに多動があって買い物が大変だったり、毎回おやつをいくつも買うはめになったり、手早く済ませたい買い物に手間と時間がかかる事も多いでしょう

私は、普段の必要な買い物は子供が療育へ行っている間に済ませておき、息子との買い物では数品をあらかじめ決めておいて
療育として行きました

「バナナを1房取って」
「牛乳を1つ取って」

など、お手伝いをしてもらいました

 

買い物は、食材そのものを見る体験だけではなく、親の指示を聞かせることや
商品がどこに置いているのかを探す練習、正しい数だけ選ぶ練習
レジの手順など、自立生活に向けて練習できる内容が沢山あります

「今日はきゅうりが安いね」
「魚の形ってこんなのなんだね~」
「アイスって、いろんな種類があって迷っちゃうね~」

など、食材の話をしながら買い物をしました(息子は会話をしません。私が一人喋っています)

子供と一緒に料理を作る

親が調理している様子を息子に見せたくても、ただ見ている事には興味を示さないし、調理のお手伝いは基本的に興味もなく
作っている様子を見せることが難しかったんです

 

療育で一度体験した調理や、テレビの料理番組で作る工程を一度見たものだと家庭でおや子調理に取り組めることができました

一度見たり体験すると、もう一度するときにイメージしやすかったのでしょうね

自宅では調理の手順書を準備することは大変ですが、以前取り組んだ時の様子や、完成した食事の写真が残っていれば
それを見せると、息子は今から何を作るのかをイメージすることができました

過去の写真は有効です!

調理は
・手先を動かす
・道具を使う
・作業工程を正しく行う
・分量を調節する

などなど、多くの課題を楽しく練習することができますね

どんな食材を使っているのかが見た目に分かる料理

焼肉
鍋物
すきやき
お祭りの屋台
回転すし
セルフうどん屋
焼き鳥

これらのお店の食べ物は目の前で調理されている分かりやすさがあるので、安心感があるのでしょうか

「 好きだ!食べたい! 」と、息子は言うようになりました

本人が安心して食べられるならそれでいい

“ 色んな食べ物を食べられるようになって欲しい ”
“ 栄養バランスの良く食べ物を食べて欲しい ”

そんな親の願いは、私の勝手な押し付けなのかな…と考えるようになりました

 

私だって、子供がいない生活だったら自分の好きなものばかりを食べていたでしょう

主人だって、一人暮らしの時は外食生活中心で、ラーメン・唐揚げ・カレー・丼ものなど、ザ・男の好きなメニュー ばかり食べていました

世の中にはこんなにもおいしそうなメニューがあって、食欲をそそる食べものがあって、綺麗に彩り飾って調理された食事があるのにそれを食べずにいるなんて人生尊してる!

という考えは、私の勝手な思い込みでしかないんです

息子にとって、知らないものを食べて嫌な思いをすることがストレスならあえて訳の分からない食材に挑戦するよりも

いつもと同じ味という安定を求めるメニューの選び方でもいいのかなと思うようになりました

そもそも、食事に楽しみを求めていないんだね。
という事に行きつきました

今の私は『毎日メニューをどうしようと考えなくていいから楽だわ』と思うようになりました
(決まったメニューで回しています)

家族がおいしい “すき焼き” を食べていたとしても
息子は白ご飯だけを食べていれば、お腹は満たされます

羨ましいと思わないのならそれでいいんです
だって、いらないって言うんだもん
毎日息子の食べられるメニューだけでは家族は飽きます

本人がそれでいいなら、いいんです

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