『 「障がいをもつ子の育て方」がよくわかる本 』 著:川岸恵子
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私自身、自閉症スペクトラムの息子を育てていて
「 まさにそう!!おなじだわ!! 」
という事が書かれてありました
この本は、療育の手立てとか支援方法は書かれていません
この本の著者は、ご自身の障害を持つ子育て経験を通して
障がいを持つ子供が自立した豊かな生活を送る大人に育てるために
親はどのような心構えで子育てすると良いのか
が、書かれています
子どもに診断が出たばかりの頃は
子供の将来の見通しが立たず
お先真っ暗…
そう考えるお母さんが圧倒的ではないでしょうか
その、どん底から頭を上げて
少しずつ未来を見つめて、手探りで療育子育てに取り組んでいきますよね
それでも、幼稚園や小学校の節目で苦しい思いをしたり
同級生の発達と我が子を比べてしまったり
親の気持ちが揺れたりぶれたりすることは沢山あります
★ ☆ こんな方にぜひ読んで欲しいです ☆ ★
- 今、子供の診断が出たばかり…
- まだ、子供の障がいを受け入れきれていない
- 子供の将来が不安
- 子供の進路や岐路について悩んでいる方
遠い未来と、近い未来をみつめながら
今何ができるのか、親も見通しを持つことの手立てが書かれています
本の内容を私の感想や経験を交えてお伝えします
自閉症を持つ我が子から学んだこと
1 人生で大切な事は
「障がいをもつ我が子」から学んだ
本の著者のお子様は
《脳性まひ》を持って生まれ、23歳で人生を終えた子育て経験のある方です
その子育てをする中で、子供から学んだ事が多くあることを語っておられました
私もまったく同じ気持ちです
私も、もし息子が障がいなく生まれていたら
もっと自己中心的な考え方で
いたって普通といわれる生活を送っていたはずです
障がいを持つ子育てをしているからこそ
弱者の気持ちを知る事ができたり
社会のいびつさを体感したり
自分の知らなかった未知の世界を知ることができて
誰もが居心地の良い社会になるにはどうしたらいいんだろう
なんて考えたり
自分自身が人間として
成長させられたと思っています
2 障がいがあっても、赤ちゃん扱いしない
発達が遅い子どもは
自分の意見を言うことがなかったり
何を考えているのか読みとれないことから
「 いつまでも幼い子 」 または 「 いつまでも赤ちゃん 」
のように子どもへ対応してしまう親がいます
「この子はまだできないから」
「この子は分かっていないから」
と、大切に守りすぎている
この言葉に
「 は!っ」と、私も自分の子育てを見返しました
どんなに障がいがあっても、子供の心は
「成長したい」という欲求にあふれている
障がいがあることがかわいそうだからと
何でもしてあげることは、
何もできない人にしてしまうということ
子どもがやりたいと思っていることをチャレンジさせること
子どもが
やりたいことが上手くいかなくて困っているのか
本当にできなくて困っているのか
子どもの気持ちを汲み取る目を持つことが大切ですね
3 よかれと思っても子供に嘘はつかない
「子どもは分かっていないだろうから」
と、嘘をつくことはいけません。隠すこともいけません。
私もこれ、していました
どうせ、息子に言っても伝わらないだろうから
先生のみに要件を伝えたり
息子に要件を伝えた時に
「嫌だ」と拒否されたらややこしいしな…
パニックになられると困るしな…
と、私の手間をはぶきたいから
子どもへ伝えず病院へ連れて行ったり
予定の変更を伝えずとにかく出かける
そういうことをしていました
今では必要な事を伝えるし
本人の意見や意思を確認するようにしています
“分からない子” ではなくて
本当のことを正しく伝えることが大切ですね
4 《就学相談》 「この学校があう」で考える
小学校入学・進級時の措置変更・中学校入学
節目の時期に 教育委員会が行う《 就学相談 》 があります
子供をどういった進路へ進めたらよいのか迷っているから
他人に判断して欲しい
他人に決めて欲しい
そんな気持ちで《就学相談》を受けて結果を待つ親がいます
でも、子供の進路を決めるのは、他人ではなく親です
子どもの一番の理解者は親です
子どもがどこへ行けばより良く成長できるだろう
という視点で考えること
正直、子供をその環境にいれてみないと
合うか合わないかは分からないことが多いです
でも、考えてやってみて
間違いなんてありません
私は息子を地域の小学校の支援学級へ進路を決めた時は
『これでこの子の進路、将来の方向性は決まってしまった』
と、思っていました
でも、子供は成長しています
今では
『子供の伸びしろは分からないことが多いから
支援学級と進路を決めたからといって、人生すべてが決まるわけではない』
『学校生活はただの通過点』
そう思うようになりました
学校生活なんて、一生のうちの数年間だけです
5 期待しすぎず期待して育てる
私が息子を地域の幼稚園へ通わせていた時は
同級生と発達を比べていました
同級生に出来るだけ追いつかせたいって
療育に専念していました
それって、私がめっちゃしんどかったです
だから、親の私の思いに突き合わせていた息子自身も
しんどかったと思います
障がいは治るものではないんです
経験と慣れで、出来る事を増やすことは出来るけれど
本質とした特性は残ったまま成長しています
子どもは子供のペースで成長します
同級生に追いつきたいっていうのは
親の世間体や固定観念です
もともと、個人の能力なんて個人差があって当たり前なのに
同じ学年で区切ってしまっていること自体に違和感を感じています
社会に出れば、18歳位から70歳くらいまで幅広い年齢の中で働きますよね
学校にいる間だけが、“同級生” という枠にはめられた時期を過ごします
その事自体に違和感を感じています
追いつこうと考えるのではなくて
できなくて困っている事は少しずつ出来るようになればいいし
出来る事は最大限生かして伸ばしてあげたらいい
人と比べることは何もありません
みんな違ってみんないい
同級生と同じく右へなれ!と成長をうながすのではなくて
我が子の将来のゴールを見据えて成長をうながせばいい
そういう考え方になると、めっちゃ気持ちが楽になりました
6 子どもを遊ばせよう
息子の幼稚園時代は
お友達と一緒に遊ぶ努力をしました
息子自身が友達を誘う事は出来ません
私が企画して、自宅へ遊びに誘ったり
子どもたちと一緒に鬼ごっこをしたり
蝉とりに付き合ったり、カエルを捕まえたり
夏休みはママ友達と一緒に企画してプールへ行ったり
バーベキューをしたり
ハロウィンやお花見の行事に誘われたときは
参加していました
でも、本当は子供たちと遊ぶとか
ママ達と集団で何かをするとか
そういうことがめちゃくちゃ苦手な性格でした
我が子が大人になった時
「 友達といろんな遊びをして楽しかったな~ 」
という思い出が一つでも多く残ればいいという気持ちで
遊ばせていました
この “ あそぶ ”経験が子供にとって
人とかかわる良い経験となったし
同級生のお友達に、息子の存在を知ってもらうきかっけとなりました
気力も体力もいることだから
体はへとへとだったし
子どもの発達の差を目の当たりにさせられることが多いので
精神的につらくなる時だってありました
集団の輪に上手く入ることができなくて
親子ともにシクシク泣きながら帰ったこともあります
でも、その時の経験が
後々、息子を助けてくれる人脈作りに繋がったこと
同級生と楽しい時間を共有するかかわりが
療育を受けることよりも
息子の成長を伸ばす一番の方法でした
7 子どもはお父さん、お母さんを愛している
子どもは
自分のことでお父さんやお母さんが
悲しんでいる姿を見ることが一番つらいんです
「 この子は分かっていないから 」
そんなことはりあません
だから、私は子供の前で泣かないと決めました
(うれし泣きはします)
泣きたい時はあります
それは子供のいない時に。
8 子どもが自立するために
障がいのある子供を持つお母さんは
「子供よりも、1日でも1秒でも長くいきていたい」
と思う方が、めちゃくちゃ多いです!!
私はと言うと、
「私の人生は私のもの
一生子供と居ないといけない人生は嫌だ」
と、真逆に思っていました
どちらがいいとか悪いではなく
著者が書いている事は
親が、自分しか我が子のことを看ることができないと考えて
頑張ってい生きていて
親の体や生活が立ちいかなくなった時に入所施設へ入れる
その流れでは、子どもが
食事も選べない
自由時間も選べない
好きな時に外出できない
好きな時にお風呂に入れない
一人になる空間がベッドだけ
など、当たり前の自由な生活を送れない
決められた集団生活を死ぬまで送ることになる
そうならないために、何ができるのかを考えておきましょう
という事が書かれてありました
自立した豊かな生活を送る大人に育てることを
目標とした子育てをすることの大切さですね
まとめ
私は、五体満足で健康な体と心があります
それだけで、幸せなことだと心から思います
その当たり前な事は
当たり前すぎて気が付いていない人がほとんどです
息子の子育てを通してそのことを知れた私は
人よりも人間大きくなれたよね!
と、自分を褒めています
そして、五体満足で健康な体と心がある自分は
何を出来るのか
を考えるようになりました
それが、
自閉症を持つ我が子から学んだこと です
自分の出来る範囲で
困っている誰かの為になる事をしていきたい
その思いがあるから
「アトリエいろかさね」を運営しています
ココロとコトバのバリアフリーな空間
言葉がなくても絵を通して人と繋がれる
絵を通して自分の思いを伝えられる
絵を通して自己表現ができる
障がいも健常も関係ない
“絵が好き” という共通の趣味の人が集まる空間を実現したい
それが「アトリエいろかさね」という場所でありたいと思って
運営しています
今は自宅という小さな教室ですが
自分の子供の成長と共に
自宅からはばたく
「アトリエいろかさね」を目標に
日々、発信を続けています