私たちの子供は一生会社に就職しないかもしれない

《リョウコの子育て観》

私たちの子供は一生会社に就職しないかもしれない

タイトルのとおり、子育中の親は、自分の子供が大人になった時に就職に困らないようにと学力を身につけさせて
レベルの高い高校・大学へ通わせようと3歳の頃から塾へ通わせて教育に一生懸命だけれど、高校・大学へ行ったからと言ってももう我が子が大人になった時には《就職》が当たり前ではなくなっているかもしれない事を知っておいた方がいいんじゃないかなと私は思うのです

 

私たち昭和世代は、受験をして良い高校・大学へ行って大手企業へ就職しようという風潮が強くありました

私の両親は教育ママ・パパではなく、いたってフツーに公立小・中学で育ったので、中学生になってから受験へ向けた勉強が始まりました
(私はマンガが大好きで勉強よりもマンガを読んだり描いたりするために時間を使いたかった学生だったので、学校の成績は常に中の下。勉強できないちょっと浮いているオタク女子中学生でした)

 

自分の子供を学校へ通わせるようになって驚いたことは、今も変わらず学校では良い高校へ向けた学力重視の教育なんですよね

私は自分の子供たちに、青春時代にしかできない事でのびのびと学生生活を送って欲しいと思っているお母ちゃんなんですが、子供が小学校4年生になると学習内容が一気に難しくなるので、子供が勉強につまずき始めると(つまずく前に)塾へ通わせる親が増えます

沢山遊ぶ事が楽しい年齢なのに、もう高校へ向けた学習をさせるために塾へ通わせるの??と、私からしたらあり得ない事なのですが、塾へ通わせなければ中学の学校教育内容だけではレベルの高い高校へは合格できない風潮があります

私が中学生だった時から30年も時代は過ぎているのに、受験方法や受験内容が変わっただけで、教育そのものは何にも変わっていない事に疑問をもちます

その学校教育に自分の子供を当てはめて流されて良いものなのかどうか…も悩ましく思うようになりました

 

悩ましく思う理由は5つあるので、順を追ってお話しするとともに、どういうスキルを持っていると子供たちは仕事に困らないのかという事もまとめました

記事の内容は、文化人の岡田斗司夫さんの大学講義「僕らはもう働かないかもしれない」のYouTube動画で視聴してすごく感銘を受けたので、私が共感した所と私の子育て観を交えてまとめたものです

戦後日本はどう経済発展してきたのか

私のおばあちゃん・おじいちゃん世代は第二次世界大戦を経験していました
戦後、何にもない日本での生活で苦労していた話を聞いたこともあります

その世代の人たちが、荒れ果てた日本を再建しようと努力して下さったからこそ、高速道路や新幹線などインフラの整った日本社会になって、国民がみな豊かで飢えることもなく凍えることもなく便利に生活出来ていることをありがたいと思います

当時は《人と力》を必要とする仕事が豊富にありました
私の親の世代で、オールウェイズ3丁目の夕日の年代も、まだまだ日本には《モノ》が無い時代

衣食住に困らないために、工場で大量の商品を作るようになりました
モノがないから大量に生産すれば売れていたわけです

 

衣食住が整ったら、次は生活に便利なものが開発され続けました
車や家電業界の会社が世界で有名になっていった、技術大国日本の時代です

〇 家電製品(冷蔵庫・洗濯機・炊飯器・掃除機・電話機・エアコン…)
〇 移動手段(車・自転車・バイク)

炊飯器や洗濯機のなかった時代の家事の大変さを考えると、マジでぞっとしますよ
それに、子供の紙おむつや女性用生理ナプキンがなかった時代の事を考えても今の生活ではあり得ないですよね

私が子供の頃は、おじいちゃんの家のお風呂は五右衛門風呂で、お風呂へ入るために薪で火を焚いていました

そんなめんどくさい事、今はボタン一つでお湯を沸かせるので、とてもじゃないけどやっていられない!!

 

会社(工場)で働く人が増えて、家電製品が整ってくると、余った時間を楽しむための娯楽用品・娯楽施設が開発されましたね

テレビ・ゲーム機・ビデオデッキ・カメラ・ビデオカメラ・レコードデッキ・カラオケ機材

次々と新しい商品が開発されて、開発された後はより性能の良いものへと改良されてゆき、生活が豊かになっていった人たちは新しい製品を次から次へと購入していきました

そら景気も良くなるはずだよね

国は“マイホーム計画”を立て、個人が一生をかけた多大な借金を背負ってまでして一戸建てを持つようになり、銀行はもうかるようになりました

次に大きな買い物と言えば “車”

車に乗りたい男性の憧れや、車を持つステイタス、車を運転することが娯楽になりました
車は大人にとってのおもちゃのようなモノだったのでしょうね

家族の生活が豊かになってくると、その子供たち一人ひとりにも豊かになっていきました

私はその昭和世代です

一家に1つあればよかった家電製品類 こたつ・扇風機・エアコン・ベッド・テレビ・ラジカセこれらは子供の部屋にも置くようになりました

 

…とまあ、私は経済に詳しいわけではないので、「そういえば・・・」と振り返って思いつく事をここまでざっと書いて来ましたが、書いてみると「そうだね、そうやって日本って発展してきて、今めちゃくちゃ便利だよね」と納得できるはずです

とてもじゃないけど、ひいおじいちゃん・おばあちゃんがしていた生活を私たちはできないし、やりたいと思わない

 

私の今までの生活スタイルの変化を見ても

・テレビが大型化→テレビが薄型化→テレビ画質が向上→液晶化→デジタル化

・ファミコン販売→スーパーファミコン→プレイステイション→・・・今はスイッチ

・ビデオデッキ(再生専用)→録画機能付きビデオデッキ→DVDデッキ→ブルーレイ

・レコードプレイヤー→ラジカセ→CDラジカセ→CDコンポ→CD+MD→ウォークマン→iPhoto

次々とモノの性能が上がって、軽量化されて、コンパクト化していきました

すると、使用する私たちはより便利になるモノへ次々と乗り換えて購入していったわけです
消費しまくりですね~

消費しまくっていた時代は、大量に作っても売れる 新商品を開発すれば売れる。だったんです

ところがある程度どの家庭も一通りの家電製品が揃って、モノで豊かになると、それ以上の豊かさ・便利さへの限界に達してしまって「もう十分生活には困らないからもうこれ以上のモノは必要ないよね」という考え方になって、次第にモノを買わなくなっていきました

 

私たち親世代(昭和)と平成育ちの子供の生活の違い

私たちが育てている子供は、赤ちゃんの頃から十分恵まれた生活をしていますよね
快適に温度管理された部屋で、生まれた時から生活しています

ものごころついた年齢の時から、テレビも録画機も音楽もおもちゃもゲームもあるのでそれ以上の何か欲しい物があるのか??
という状態

モノ消費 から コト消費 に変化していきました

 

私たち親は【習い事】や【家族でできる体験】のように子供に体験を与えたり、思い出を残すようになりましたね

0才には、ベビーマッサージや親子スイミング

子供が歩けるようになると、リトミックや音楽教室

3歳ごろには幼児教室、ピアノや英会話教室、学習教室やスイミング、体操教室

・・・と、年齢に応じて習わせられるジャンルが増えて、幼稚園や小学生にもなると毎日習い事でスケジュールがいっぱいの子供が多くいます

 

家族で楽しむ体験ができるアウトドアへ出かけたり、親子クッキングのような“親子○○体験教室”は人気ですよね

ディズニーランドを始め、テーマパークやショッピングモールは0才児を一緒に連れて行っても出掛けやすい環境が整っています

スマホの出現により、社会全体が変わった

スマホの出現により、たった数年の間に社会全体が変化し、今でも変化し続けています

ネットが出現した時にも変化がはありましたが、その時は高価なパソコンを持っていて、使える人にしか変化はなかったので、一般の人がネットで生活の変化にお脅かされることはありませんでした

誰でも手に出来るスマホが普及した10年前からが私たちが生活の中で具体的に実感できる変化の始まりだったのではないでしょうか

今や テレビ・音楽・本・新聞・映画・電話・パソコン・カメラ等など、【モノ】が、スマホたった一つで完結してしまいます

“普通程度に便利なもの“ “普通程度に面白いモノ”

であれば、高価な機材を買わなくてもスマホで十分事足りてしまうから、テレビも音響機器も本も新聞も電話もパソコンもカメラも必要がなければ買わなくなりました

 

私たちが子供の頃に、自分の部屋に置いていたテレビ・音響機器・マンガ本・CD・ゲーム機は、今の子供たちには買う必要もなく集める必要もなくなって、スマホ一つあれば十分なんですよね

無料でサービスが提供されることが当たり前になっている

・メール機能で手紙が廃れた

・無料でコミック試し読み

・無料の映画視聴期間

・ラインの登場で通話が無料化

・無料のYouTube動画を見ている方がテレビよりも面白い

・無料のスマホゲームアプリ

無料のサービスがあふれ、私たちは無料で十分暇な時間を楽しめるようになりました

 

無料のサービスが増えると、その業界の仕事は縮小する、または無くなります

・マンガが無料になると、本当に面白い作品を描ける人しか本が売れない
・無料で映画を見られるようになると、映画館へ行かなくなるし、DVDレンタルすらしなくなった
・無料のゲームで暇つぶしが十分できるから、ゲームを買うのはゲーム好きな人だけ

商品を価格競争することでお客様を奪い合っていた会社も、《無料》の商品が販売されてしまうと太刀打ちできませんよね

大手産業の介入や無料のサービスが増えることで仕事はなくなっていく

アマゾンは本の通信販売から始めた会社でした
アマゾンの出現で、町の本屋が潰れて行ったという話はよく聞いた話だと思いますが、潰れたのは町の本屋だけではありません

本が私たち消費者の手元に届くまでの流通経路はこうです

[ 作家が本を作る → 出版社が本を出す → 印刷会社 → 製本 → 取次会社 → 配送会社 → 本屋 → 読者 ]

 

これがアマゾンの出現により [ 出版社 → 読者 ]  または [ 作家 → 読者 ] の流れに変わりました

すると、出版社から消費者までの間に関わっていた会社や人々の職種は必要なくなってしまう事が分かりますね

 

私はマンガが大好きで、コミックを購入して読んでいた世代だから、今でもコミックを購入するのですが、試し読みができる利点は、「表紙買いしたけど中身は面白くなかったな~」という購入失敗をすることは、もうなくなりました

昭和世代と平成世代のギャップ

以上5つのことによって、一つの会社で一生働き続ける事がいかにリスクを伴うのかが想像できるでしょ

私たちより上の世代は、1つの会社の中でキャリアを積んで、階級を上げる事が目標で定年まで働けばよかった
でも、TOYOTAでさえ社員を一生雇用することはもう難しいって言っちゃったんですよ

会社自体が、一つの産業で永久的に生き残れるかどうかは分からないって事なんです
一つの会社で働くためだけのスキルしか身につけていなかったら、その会社が倒産した時に仕事がなくなってしまうワケです

 

じゃあ、私たちの子供が将来仕事に困らないようにするためにはどうしたらいいのか?
「良い高校・大学へ行って大手の会社へ就職すれば安泰だ」そんな古い価値観ではもうやっていられないですよ

親が学生時代に歩んできた道はもう古いという事を受け止めて

  • 会社に求められるスキルを持った人材になること
  • 1つの仕事のみにたよるのではなく複数の仕事ができるスキルをもつこと

会社に雇用されるのではなくフリーランスで自分のスキルを会社に売り込みへ行って仕事を受注するまたは、直接お客様から仕事を請け負う働き方が今よりもっと増えていくと思います

 

《フリーランスの働き方のメリット5つ》

1 自分で仕事の分量を調節できる
2 スキルが上がれば単価を上げられる
3 自分の得意なジャンルの仕事だから責任を持って楽しく取り組める
4 自分がやりたくない仕事やお付き合いはしなくてもいい
5 会社へ毎日通勤する負担がない

 

会社側にとっても人件費削減のメリットがあります

1 会社経営費の中で、人件費が一番大きなコスト
2 社員の給料や厚生年金・社会保険の補償
3 一度雇うとやめさせ辛い

だから、フリーランスの人へ仕事を外注した方が会社にとってもコスト削減になるんです

会社に自分の人生と自分の働き方を預けるよりも、自分の人生を自分の舵で進む働き方の方が絶対に有意義な人生を送れると私は思っているんです

 

若者と私たち世代との仕事に対する向き合い方の世代間ギャップは

・定時で仕事を切り上げて帰りたい
・週休2日は絶対に守って欲しい
・飲み会などのお付き合いはしたくない
・有休を使える会社がいい
・休む日はラインで連絡できる会社がいい

など、好条件の会社で働きたい願望を持っていますよね
でも、そんな都合の良い会社なんてどこにあるんだ?という具合です
昭和のスポコン根性でやり抜く世代と平成のだるいことはやりたくない世代の対立があります

会社に拘束されるよりも、自分の有意義な時間を大切にしたい気持ちが強くあるのが平成世代なんですよね

そして自分の子供もその価値観で育つでしょう

子供たちは、自分の親が働く姿をどのように見ているでしょうか?
自分の仕事に誇りをもって自分のやりがいとして働いているサラリーマンがどれほどいるでしょうか……

自分の自由な時間を犠牲にして、会社や同僚、営業先の愚痴を言いながらも我慢して定年まで働き続ける親の姿を見ている子供たちは、“そんな働き方はしたくない” って思っちゃうのもよく分かる

 

だから、私は自分の子供たちに、学校では受験のための勉強をしてほしいのではなく

・何のために働きたいと思うのか?
・何のために稼ぎたいと思うのか?
・自分がどんな仕事をするとやりがいを持てるのか?
・誰を喜ばせたい?誰の役に立ちたい?

そんな意識を持って自分がどんなスキルを身につけたらそれらが出来るのかを考えながら、楽しく遊ぶ・学ぶ・より良い人間関係を築く力を身につける学生生活を送って欲しいと思っています

 

学校の授業の成績が悪くても気にしません
そもそも、支援学級に在籍する息子の様子を見ていると、通常の知能を持っている人は平均的に賢くなれるんです

みんなと同じことが同じように平均的にできる力を身につけるよりも、興味のあるモノを見つけてとことんやってみて追及したらいい

若い時には体力と・若さなりの考え方と・夢に向かって突き進める根拠のない自信があります

学力が高いに越したことはないでしょう
でも、それだけしか評価されない学校生活が嫌で嫌で私は小・中・高校生活が楽しくなかったんです

人の価値は、勉強ができることだけじゃないんだよと、私は子供たちに伝えています

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