オリジナル作品は、なぜ見てもらえない?高校生との話

《アトリエいろかさね通信》

「先生、やっぱり二次創作の方が見てもらえるんですか?」

「先生、やっぱり二次創作の方が見てもらえるんですか?」
先日、自分の絵の評価について悩んでいた高校生の生徒さんと話していたとき、こんな質問を受けました

「先生、二次創作の方がいいねが多くつきますよね」と、エックスの投稿を頑張っている生徒からの発言で、私は、
「あ、そこに気がついたんだ」と思いました

まさにその通り
多くの絵を見る側、消費者は、知らないものには、なかなか興味を持ちません

だから、SNSにオリジナルのキャラクターを投稿しても、なかなか反応がない・・・
一方、人気のアニメやゲームのキャラクターを描くと、見てもらいやすい


これは、ある意味当然

なぜかというと、すでに知られているキャラクターには、物語があります
動いて、喋って、いろいろな経験をして、その姿を見てきた人たちが
「このキャラクターが好き」
「この生き方がかっこいい」
「この二人の関係が好き」
と感情移入しています

だから、そのキャラクターの絵を見ただけでも反応してくれます


でも、初めて見るオリジナルキャラクター、見知らぬ人が描いたキャラクターには、まだそれら背景がありません
だから、見る側からすれば、「このキャラクターは誰なんだろう?」というところから始まります

オリジナル作品を見てもらうことは、それだけ難しいこと

だから、漫画の新連載が始まるときには、どうやって読者興味を持ってもらえるのか?を1年ほどの時間をかけて練りに練ってキャラクターと物語が作られているんです

今回は、生徒がそれに気づいたことが大切
なぜならその生徒さんは漫画家を目指していて、もともと、自分でキャラクターやストーリーをゼロから生み出すことが好きな子です
だから私は、「そこに気づいたのは、とてもいいことだよ」と話しました

「どうして自分のオリジナル作品は見てもらえないんだろう?」そこで終わってしまえば苦しいだけですが、「じゃあ、どうしたら知らない人にも、このキャラクターを好きになってもらえるんだろう?」
と考え始めたら、話は変わります

漫画家を目指すとは、そういうこと

ただ、絵を描いて楽しみたいだけだったり、知っているキャラクター達の絵を描いていたいのなら、二次創作を楽しめばいいですが、漫画家になりたいのなら、ゼロからキャラクターを生み出す力が必要です

⇒どんなキャラクターなら興味を持ってもらえるのか
⇒どんなストーリーなら続きを読みたくなるのか
⇒最初の数ページを、どう見せればいいのか
これはまさに、漫画を作る側が考えること

今まで純粋に「描くことが楽しい」と創作してきたところから、「人に届けるためにはどうしたらいいんだろう?」という次の段階に進み始めたのだと思います


オリジナルを作る人は、きっと何度も落ち込む

自分で何かを創作する人は、これからも何度もこういう壁にぶつかると思います

一生懸命描いたのに、反応がない
自信があった作品が評価されない、お金にならない
自分より上手な人がたくさんいる

そんな経験をするたびに、落ち込むこともあるでしょう


でも私は、落ち込んだあと、自分がどうやったら戻ってこられるのか。
その方法を少しずつ知っていけばいいと考えます

その落ち込みや苦しみが、再び創作のネタにもなります

そして何より、心から創作が好きだったら、何があっても
「やっぱり描きたい」
「こんなキャラクターを作りたい」
「こんな物語を描いたら面白そう」
という気持ちが、また湧いてくるはずだから!!


最後に残るのは、描き続ける人

世の中には、本当に絵の上手な人がたくさんいます
でもね、絵が上手な人が全員、10年、20年と描き続けるわけじゃないんですよね…

途中で別のことに興味を持つ人もいるし、仕事や生活が変わって、描かなくなる人もいます

絵の上手さと、描き続ける根気強さは別物なんです

だから私は生徒さんに、「上手いことだけが、強さじゃないよ」と話しました

⇒自分はこんな物語を作りたい
⇒こんなキャラクターを描きたい
⇒絵を描いている時間がやっぱり楽しい
その気持ちを持ちながら、描くことをやめない!

創作する人にとって、それはとても大きな力です


今回の悩みも、漫画家を目指しているその生徒さんにとって、これから何度も経験するであろう「作り手としての最初の葛藤」が、初めて起こった出来事でした

私もそんな葛藤を何度も経験してきました
だから私は、その葛藤も含めて、これからの成長を見守っていきたいと思っています

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