コミックアート教室・レッスンレポート=2020 NO.6=
生徒さんの作品紹介と、どんなレッスンをしてイラストを仕上げているのか?や
教室でアドバイスしている内容をまとめています
人物のポーズを練習しよう
「大好きなマンガキャラクターを真似して描きたいイラストがあるけど、
どう描けばいいの?手がどうなってるの?難しそう…」
「どんなポーズでキャラクターを描こうか迷うし、アイデアが浮かばない…」
「描きたいポーズがあるけど、どう描けばいいのか分からない」
そこで手を止めていたら、いつまでも絵は上手くならないよ!!
下手でも、上手く描けなくてもいいから、とにかくまず描く事!!を私は勧めています
上手くいかないからって、描くことを避けてしまう子供が多いので、避けずに挑戦しよう!
描く方法は
・写して描く
・模写して描く
・自分で想像して描く
どの方法でもいいよ!
実際に描いてみると
「なんだかここ、上手く描けないな~」
「写してみると、案外細かく描かれた絵なんだな~」
「描いてみたけど、なんだか変だな~。でもどう修正したらいいのかが分からないな~」
って、作家がどれほど絵を描きこんでいるのかが分かるし、どう上手くいかないのかが分かるよ
教室では、上手くいかない所を具体的にアドバイスしています!!
例えば、左側のイラストを描いた生徒さんは
“制服を着た女の子を描きたい”というイメージを持っていました
じゃあ、制服を着て、どういう気分の場面かな?
と、想像してポーズを考えました
「友達に手を振っている様子にしようかな~」
「穏やかな笑顔の表情にしようかな~」
「鞄を持つ手が難しいな~」
など、相談しながらラフスケッチでイメージを決めていきました
キャラクターが立っているポーズを描く時、絵を描きなれない人は、直立不動のポーズを描いてしまいがちなんですよね
だから、「実際には直立で立っているって不自然だから、少し足に動きのあるポーズを付けた方が自然だよね」
とアドバイスをして、
足に動きのあるポーズってどういうの?
をラフスケッチで練習しました
描いてみると、 “手の形が難しいな” “靴ってどうなっているのかな?” “プリーツスカートって難しいな” “鞄を横から見たらどうなってるの?” など、疑問が沢山わいてきます
描く事が難しい箇所を、一つ一つ私と一緒に作画しながら練習して、本番の紙にイラストを仕上げ進めるよ
・手の形が難しい所は、自分でその手のポーズをやってみよう!自分でやってみると、イメージしやすくなるよ
鏡があれば、鏡で手を見て描いてみよう
スマホを持っているなら、手をスマホで写真を撮って描いてみよう
絵に描いたときに、親指と小指の向きを間違えないでね
・プリーツスカートは、まっすぐな直線だと機械的に見えるから、少し揺れている感じを出すと、絵に動きが出るよ
・足は小さく描いてしまいがちだから、体を支えられるような大きさの足になるように描こうね
・靴は、正面から見えた時と、上から見えた時と形が違うよ
などなど、アドバイスをしています
↓ こちらのイラスト 『鬼滅の刃18巻の表紙』“カナヲ” を描きたい希望の生徒さんは、さっそくポーズの難しさに苦戦…
人物デッサンを習っている学生時代を思い出すような、足の角度が超!難しいポーズです(~_~;)
人物が立っているポーズが一番簡単
人物が座っているだけで、足が曲がっている所を作画するのが難しくなるんですよね~
でも、習った事を素直に吸収する力のある生徒さんなので、一緒に作画練習から取り組みました
右側の画像はは私が生徒さんにアドバイスしたポイントを示しています
上半身は、人物の立ちポーズを描く感覚で描けますね
ウエストから下の足が難しい!!
・全体の構図として、人物を直角になるように座らせないと、カナヲちゃんは転んだように見えてしまうので、お尻でしっかり座っていることを意識します
・カナオちゃんの左足が右足の上に被さっていますが、ヒザが手前に出っ張っている遠近のあるポーズです
なので、太ももが太く見えますが、ふくらみを描くことで遠近を強調して描けます
・プリーツスカートのラインは、座っている足の流れに沿って描くことと、又の部分にしわができること
・カナヲちゃんの腕の長さも注意したいところ!人物の腕の長さのバランスが長すぎたり短すぎたりならないように、足の長さと腕の長さを調節しながら描きます(これがめっちゃ難しい)
基本的に、人の“ヒジ”はウエストあたりにあります
“ヒジ” から “手首” までの長さは、足の付け根当たりの長さです
腕の長さの基本を覚えてね~
定規で測ってイラストを仕上げよう
画像は、イラストの背景に、格子模様の窓を描いた生徒様の作品です
平行線で、均等な格子模様に仕上がるように練習しました
何センチ幅の格子模様にするのか?を決めて、均一な平行線を引く練習です
慣れない間は、均一な幅をわざわざ測る作業がめんどくさかったり
長い平行線が上手く引けなかったりします
イラストを作画するには、人間だけが描けたらいいわけじゃあなくって、背景で建物を描くにも定規を使うし、チェック模様のデザイン画を描くにも定規がいります
道具を使う事に抵抗しないで、自分が思い描くイラストを仕上げるには細かい所まで注意しながら描くことを知って、ペンの使い方に慣れるのと同じくらい定規の使い方も慣れてくださいね
教室では、30センチ以上の長さの定規や方眼メモリ付きの定規を使って、平行線をキレイに簡単に引くコツをお伝えしているよ
時間をかけて1枚のイラストを仕上げるまで
こちらのイラストは、写して仕上げました
模写するには、3人が絡み合っている人物のポーズは難しいので、写して着彩に力を入れる作画をしました
原画のイラストはキャラクターが3人の他に、細かいアイテムが散りばめられたカワイイイラストです
実際に写し描きをしてみると、細かく描かれているので「大変…」という事がよく分かった生徒さんでした
鉛筆の下書きだけで2回のレッスンを要しました
鉛筆で写した後ペン入れをしてみると、ペン入れは失敗できないから緊張する作業なので、手に力が入って鉛筆線からはみ出してしまったり、細かい所を描いているとペン先が太く感じたり・・・描いてみて初めて気が付きます
ペン入れはそれだけでも作画技術を要します
ペン入れが終わったら、鉛筆の下書きを消しゴムで消します
この、消しゴム作業がまためんどくさいし、消す分量が多いと手が疲れるんですよ~
下書き→ペン入れ→消しゴムかけ まで終わったらやっとカラーリングができます
どの生徒さんも一番楽しみなところですね
コピックに慣れる ぼかす・立体感を付ける
コピックマーカーを使い始めた頃は、ぬり絵の感覚で色を塗ることを楽しんでもらいます
色を塗って、自分の描いたイラストが作品として仕上がると嬉しいですよね
コピックマーカーは、使い方が簡単で、手軽に完成度の高い着彩をすることができる便利な画材です
コピックマーカーを使い始めた頃は、作品を最後まで色を塗って仕上げること+配色や混色を考える作業をします
使い慣れてくると、ぼかした表現や、立体感のある着彩のコツをお伝えしています
色の重ね方、コピックマーカーの筆先の使い方で、表現の幅を広げることが出来るので、着彩技術を取得して自分の描き方を身につけるまでにも年数を要します
同じ色を重ねれば重ねるほど、色は濃く表現できるし
多色混色すると、独自の色を作れるし
ぬった箇所のインクが乾かない間に更に色を重ねるとぼかした表現ができます
教室ではコピックマーカーの「0番」を使う表現の仕方を教えています
「0番」は水彩画でいうと、「水」の役割をしているので、ペンで塗った箇所をもう少し色を薄めたい時に使ったり、グラデーションのようにぼかした表現をしたい時にも使います
ただ、ちょっとコツがいるので何度も「0番」を使って使い慣れてくださいね