明石 子供向けコミックアート教室 レッスンレポート=2020 NO.4=

コミックアート・レポ―ト

コミックアート教室 レッスンレポート
=2020 NO.4=

この3作品のイラストが完成するまで、どのようなアドバイスをしているのかや、作画ポイントを解説します

伊之助の体を描く

伊之助は上半身裸のキャラクター

人間の体を描く時に、服で体の構造をごまかせないので
体や筋肉がどのようになっているのか “人体” を理解していないと描く事が難しいキャラクターです

1日目は、模写したい伊之助のポーズを選んだ生徒さんと一緒に、体を描く練習をしました

刀を構えて前かがみになっているポーズなので、肩や少し見えている背中の肩甲骨、筋肉で割れた腹筋が少しひねられた状態で、すっごく難しいポーズですが、まずは作画練習に取り組みました

模写したい原画を見て自分で描こうとしても、体の構造を知っていないと
“この線は何の線なのか? 体のラインなのか? 影を表しているのか? 立体感を表現しているのか? シワなのか?” って分からないんですよね

生徒と私が一緒に描く練習をすることで、筋肉の部位を説明したり、こういう角度で立っているからこう見えるんだよと説明しながら描き進めました

伊之助が持っている刀は人工物で硬いものだから、定規を使ってキリっと描くよう勧めました

漫画道具には様々な曲線を描けるテンプレートがあるので、それを使って刀の滑らかなカーブを描きました

2日目は、伊之助の下書きが完成しているので、一枚のイラストとして仕上げるために背景をどうデザインするのかを相談しながら決めました

生徒さんは、舞うような葉を散らした作品にすることにしました(^^♪

コピックで着彩をする時には、筋肉の立体感を丁寧に表現したり
イノシシの毛並みを表現できるように色を重ねています

コピックの着彩に力を入れる練習

「イラストを描こう!」と思っても、下絵を考えて、下書きを完成させて、ペン入れを完成させるまでに約60分かかる事は普通です

すると、そこで集中力がなくなってしまって着彩の作業まで進まなくなってしまいます

アトリエいろかさねでは、2~3レッスンに分けて1枚のイラストを完成させるのも良いし
下書きは見本のイラストを直接トレース(写して)、着彩に力を入れて練習をすることも良しとしています

コピックの画集を持ってきた生徒さんは、完成見本のように描く練習をしたいという事だったので、コピック使いにチャレンジしました

画集には塗り絵のように下絵になる線画だけのイラストが載っているので、それを写し取って着彩を始めました

画集には使用するコピックの色と、その色をどの部分にどのように塗るのか?が細かい手順写真が載っています

慣れない頃は、手順を見てもどう描けばよいのかが分からない様子の生徒さんに、説明しながら着彩を進めていくと、次第に画集の説明を読み解けるようになっていきました

他人の描き方を真似してみる事で、プロのイラストがどのくらい細かく色が重ねられているのかや、影をどのように表現しているのかがよく分かります

自分が普段選ばないコピックカラーを使って、色を重ねることで新たな色の発見をすることがあります

何度も何色も色が重なっている作業に「めんどくさい」と思ってしまう事もあるでしょう

コピックの使い方や色の使い方は人様々なので、試してみた上で自分はその描き方の画風が好きになるのか?その描き方が自分には合っているのか?など

自分なりの描き方を見つけていくきっかけとなります

真似や模写でも十分学びに繋がります

名だたる有名な画家も真似しまくっていますから、イラストの練習だって真似しまくって下さい!

真似してみると、原作者がどれほど細かく描いているのか、その素晴らしさが理解できますよ

初めて絵を習う生徒さんへ

初めてマンガ画材に触れる生徒様には
〇 描く事の楽しみを知って欲しい
〇 イラストを完成させる達成感を味わってほしい
〇 完成させることで自分の絵に自身を持ってほしい

という想いでし指導しています

1,2度描いただけで「上手くかけない…」と落ち込む子供が多いのですが、「上手く描くために沢山描いて練習するんだよ」と、説明しながらマンガの話をして楽しみながらレッスンしています

小学生の間は、鉛筆で絵を描く事が多いですね
だから、ペン入れ作業に慣れない間は、ペン入れ作業の集中力が切れてしまうと下絵からはみ出してしまったり、ペンで描かなくていい所まで描いてしまったり、前後のある部分の後ろの見えない部分の線までペンでなぞってしまう事もよくある失敗です

ペン画を失敗したら、修正することはできるのですが、カラーイラストの場合は修正ペンを塗った上から色を塗ると、その部分だけ変な発色になってしまうので、カラーイラストのペン入れ作業は、できるだけミスしないようにしたい作業なんですね

消しゴムで下絵の鉛筆をキレイに消す作業も慣れません

消している間に紙をクシャッとしわにしてしまう事もよくあることだし、ペンでなぞったところが乾ききる前に消しゴム作業をすると、ペンのインクで原稿を汚してしまう事もあります

いざ、絵を描くぞ!と用紙に向かうと
鉛筆をぎゅ~~~っと握りしめて強い筆圧で一生懸命絵を描く生徒さんも多くいます

すっごく集中しているからこそ、そういう描き方になるんです

鉛筆を持つ手に力が入りすぎていると、鉛筆を動かす範囲が狭くなっているんですね

絵を描く時には、鉛筆を持つ指や手首の動かし方を滑らかに大きく動かす作業があります

学校ではノートのマス目に文字を書く事が主流なので、手首を使う事はほとんどありませんから、手首を使って描く事にも慣れた方がいいですね

「いい絵を描きたい!と意識しないで何気に描いたときの方が、自分で納得のいくいい絵が描けるけど、意識すると上手くいかないことがよくあるの」

という生徒さんが多い

あるある!その気持ち、よく分かるよ~~~

きっとそれって、いい具合に手の力が抜けて描いているから滑らかに描けたイラストなんだと思う

でね、生徒さんは「先生は1発で上手い絵が描けるからいいな~」って言うんだけど
「先生も小学生の時はみんなと同じだったよ。
絵が好きで上手くなりたいから、毎日絶対に絵を描いていたし
今までで何万枚も描いてきたからね。」 と話しています

子供たちは上手くいかない事で落ち込んだり
思うように描けない事で悔しい気持ちになったりします

絵はスポーツと同じで、ちょっと練習したからって自分の思うように自在に描けるようになるわけじゃないんです

漫画家さんの完成されたイラストを見て、「凄い!」と思うけど
その裏では下絵を何度も考えて、納得いかなかったら描き直して
自分のイメージする描きたい絵が描けるようになるまで没にした作品や失敗作品が大量にあるんだよ

有名な漫画家さんだって、新人の頃は下手な人って沢山いるじゃない

手を止めたら上手くならないから、自分は下手とか考えずに、とにかく描くことが大事だよ!

なんて、熱く語りながらレッスンしています(*^-^*)

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