「アトリエは安心して過ごせる
場所でありたい」

最近、アトリエに通ってくださる生徒の中で
不登校や登校しぶりといった課題を持つお子様が増えてきていることを感じます
学校に通うことが難しくても
絵を描くことが好きで
安心できる環境なら外に出られる
そんな生徒さんが確かに増えています
私はこの現象を「社会課題」としても受け止めています
子供たちは、学びや人とのかかわりを必要としているのに
学校という一つの枠組みだけでは対応しきれないケースがある
その受け皿の一つが
私たちのようなアトリエの役割だと思います
子供の「好き」が力になる

絵を描くことは、ただ技術を学ぶだけではありません
◆作品を仕上げる達成感
◆自分の表現を見てもらえる喜び
◆自分の世界を持っていいんだという安心感
そうした経験は、子供たちが自己肯定感を持つうえで大切な力になります
とりわけ、不登校や集団生活が難しいお子さんにとっては
「学校ではうまくいかなくても、自分は絵という強みがあるから大丈夫なんだ」
と感じられる小さな自信の積み重ねにつながります
親の願いと子供の気持ちの間で

時には、保護者の方の
「家から出てほしい」
という願いと、子供の
「家で絵をかいて楽しみたい」
という気持ちがずれてしまうこともあります
子供が「絵を描きたい」という気持ちよりも、親御さんの
「なんとか居場所を…」
という思いが先行すると、絵を習いに通うこと自体が負担になる場合もあります
そんなとき、アトリエでは
『頑張る場』 ではなく
『安心して過ごせる場』 としてかかわるようにしています
制作よりも、リラックスして過ごすことを優先したり
落書き程度の絵を楽しみながら描く
スタッフと大好きなアニメやゲームの話をするなど
子供自身が無理なく居られる形を一緒に考えていきます
アトリエは創作活動を通して
安心できる居場所

私は、絵の技術を伝えること以上に
「この場所に来れば安心できる」
「ここにいれば自分らしく居られる」
そう思ってもらえることを大切にしています
それが、社会の中でアトリエが果たせる大切な役割だと考えています
もちろん、絵の技術を学びたい子供達にはしっかりと技術を教えます

子供たちお一人お一人へ、
『何のために絵を描くのか』のお話を聞き出します
「趣味として楽しみたい」
「スケッチをひたすら描くことが好き」
「色塗りは、興味がない」
「色をずっと塗っていたい」
「好きなキャラクターの顔だけ描いて楽しみたい」
「技術よりも、ただ好きなキャラクターを描けたら嬉しい」
のように、楽しみ重視の方から
「絵の学校へ進学したい」
「絵の仕事につながるように技術を高めたい」
のように、絵の道へ進む目標を持っている人まで幅広くアトリエには生徒がいらっしゃいます
その、子供たちの目的に応じてアトリエスタッフは対応しています
『絵が好き』という気持ちや特技を、子供たちの未来まで持ち続けられるよう支えたい
絵を描く時間が、「ただ受け身で学ぶだけ」の学習ではなく、心から楽しいと思える豊かな時間になるよう、アトリエいろかさねのイラスト教室はありたいという気持ちで運営しています
